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最近多くの子供たちが抱えている「ADHD」とはどんな障がいなのか?【臨床心理学】

Text:湯汲英史

成長とともに特性の目立ち方が変わる

注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害は、英名Attention-Deficit Hyperactivity Disorderの頭文字からADHDと呼称されることが多いです。主な特性は、忘れ物が多かったり集中できなかったりする「不注意(注意欠如)」、じっとしていられない「多動性」、考えるよりも先に動く「衝動性」の3つです。

目立つ特性によって2つのタイプに分類され、不注意が目立つタイプは「不注意優勢型」、多動性や衝動性が目立つタイプは「多動・衝動性優勢型」と呼ばれます。

幼児期は多動性や衝動性が目立ち、「元気な子ども」という印象を受けます。しかし、学齢期に入ると不注意による忘れ物、多動性による席に座っていられないといった行動が増えていきます。度を越えると、学校生活に適応することが難しくなり、周囲から浮いてしまうケースも少なくありません。

注意欠如・多動症の子どもは学齢期(6~15歳)で3~9%程度と言われ、年齢を重ねるにつれて問題視される特性が弱まっていくことも多いです。ただし、成人にも2~2・5%確認されていて、大人の注意欠如・多動症は自身の失敗を強く認識できる分、不安症や依存症などの二次障害を招くことが多いようです。

注意欠如・多動症の主な特性【眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学】

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学』監修/湯汲英史

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学』
監修:湯汲英史

ADHDや学習障害、統合失調症やパニック障害などの言葉を耳にする機会はありますが、なんとなく心やメンタルの不調・病気と捉えてしまいがちな臨床心理学の分野。しかし紐解いていくと実はそれぞれの症状には特性や原因があり、子どもが抱えやすいのものから大人が抱えやすいものまで様々です。また、ストレスが原因で自分では気づかないうちに発症してしまうものも。本書ではそんな一見理解し難い「心の問題」の特性や症状を図解でわかりやすく解説します。最も大切なことはしっかりと特性を理解して自分と、そして他人と向き合うことです。「自分は他人がふつうにできることができない」「職場のあの人はどうも変に感じる」「子どもがじっとしていてくれない」こうした日常のもやっとした感情も、臨床心理学を知ることで理解が深まります。また、実際に現場で心の病気を抱えた人と向き合う公認心理士師の仕事についても紹介します。臨床心理学を通して「心の問題」について知ることで、自分や他人の特性がわかり、周囲と上手に付き合っていく方法を知ることができる一冊です。

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