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人に聞かれると恥ずかしい現象!空腹になるとお腹が鳴るのはどうしてなのか?【人体の不思議】

Text:西野精治

胃や腸が元気に働いている証拠!

お腹が減ると「グゥ~」と鳴ることを「腹鳴」といいます。胃の中に食べものが入ってくると、入り口の噴門から出口である幽門に向かって胃が波打つように動く蠕動運動が起こります。蠕動運動によって攪拌された食べものは、胃液の中のペプシンによってタンパク質が分解され、粥状になって十二指腸へ送られます。

そして、胃が空からになると十二指腸からモチリンというホルモンが分泌され、「空腹期収縮」と呼ばれる強い収縮運動が始まります。

この収縮が一因となって、胃の中に残っているわずかな食べもののカスなども十二指腸に移動しますが、このとき、胃腸の中の空気が圧迫されて「グゥ〜」という音になるのです。人に聞かれると恥ずかしいものです。

お腹が鳴るのは胃腸が活発に動いている証あかしであり、胃腸が元気な証拠で、胃や小腸に残っていた食べカスを空っぽにする、消化器官の掃除の効果があります。

むしろ間食や寝る前の食事で胃の休む間がなく、空腹を感じないようでは、高血圧や糖尿病などのリスクも高まり、注意が必要となります。

そもそも私たちは、胃が空になったから空腹を感じるのではありません。激しい運動などのあと、血液中の血糖値が低下し、代わりに体に蓄たくわえていた脂肪を分解してエネルギーをつくるときにできる遊離脂肪酸が増えたことでエネルギー不足=空腹感の一因として認識され、新たなエネルギーの補給をうながすのです。

また、「飢餓収縮」といって食べものが胃から腸へと送られるときにガスが発生したり、緊張やストレスから胃や腸が刺激されてお腹が鳴ることもあります。

下痢でお腹が痛くておへそあたりがゴロゴロなるのは、消化や栄養素の吸収が済んだ食べものをすぐに外へ出そうと小腸や大腸が激しく動いている音の場合もあります。

『眠れなくなるほど面白い 図解 人体の不思議』はこんな人におすすめ!

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以上の方には「図解 人体の不思議」は大変おすすめな本です。

テレビやインターネットには健康に関するさまざまな情報があふれており、スマートフォンで専門的な知識ですら手軽に検索することが可能です。しかし、これらの健康に関する情報にはさまざまな内容が含まれており、その真偽を含めた有用性(どれが大事な情報か)を判断することが難しい状況があるように思われます。

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脳は重くてシワの数が多いほど頭がいいのか?

生物の体には不思議なポイントが沢山あります。そして特に最も神秘的なカラダの部位と言えば人間の脳です。まずは、人体の脳における不思議について解説しましょう。

動物と脳の関係を比較すると、一般に小動物ほど体重の割に脳が重く、逆に大型動物ほど軽いことがわかります。動物の脳と体重の間には、「脳の重量は体重の0.75乗に比例する」という規則性があり、これを「スケーリング」といいます。ただし、この動物界の普遍的な規則にあてはまらない動物がいます。それがヒトです。ヒトは、動物の中では例外的に大きな脳を持っているのです。

また、ヒトの場合、アインシュタインの脳が1230グラムと一般的な成人男性の脳(1350〜1500グラム)よりも小さかったことから、脳の大きさと頭のよさは関係ない、ともいわれます。しかし、カリフォルニア大学の「脳の大きさと知能指数(IQ)の関係」の研究では、わずかながら脳の大きな人ほどIQが高く、とくに「大脳皮質」の「前頭前野」と「後側頭葉」の皮質が厚い人のIQが高いという結果が発表されました。

天才は生まれつきではない、幼少期がポイント

ところが、さらに研究を進めると、皮質が厚くてもIQが高くない人がいることもわかりました。このことから「IQの高さは皮質の厚さより、脳が幼少期にどれだけ成長したかが重要」といわれてきました。この説を裏づけるように、IQが120以上の人の脳は、7〜9歳頃の幼少期にはむしろ平均よりも皮質が薄く、その後13歳まで肥大化し、厚みを増し続けていたとされ、幼少期の教育熱は高まりそうです。

しかし、一方でIQはあらゆる知能を網羅した数値ではなく、万能性がないことも把握する必要がありそうです。昔からよく「脳みそのシワが多いほど頭がいい」といわれます。しかし、脳のシワは胎児のときに大脳が形成される過程でつくられ、生まれたときにはすでにできあがっているため、成長してどんなに勉強してもシワの数は増えないそうです。

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【書誌情報】
『図解 人体の不思議』
監修:荻野剛志

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