適量のお酒が糖を代謝する
太るメカニズムは血糖値と深い関わりがあります。糖質が含まれたものを食べると食後に血糖値が上がり、それを下げるために「インスリン」というホルモンがすい臓から分泌されます。インスリンは脂肪の合成を促進する作用のあるホルモン。もし血糖値が急激に高くなれば、インスリンが過剰に分泌され、多くの脂肪がつくられることになります。つまり、血糖値が上がり過ぎることが間接的に太る原因になるのです。
かつてはお酒によってこの血糖値が上昇するといわれてきましたが、実はアルコール自体が血糖値を上げることはありません。血糖値を上げるものはアルコールではなく糖質。実際に、糖質を多く含む食パンと、ビール、白ワイン、ジンなどのお酒を摂取した後の血糖値を比べると、食パンを食べた後の血糖値が最も高くなることがわかります。
さらに興味深いのは、食パンと同時に水を摂取したときと、食パンと同時にいろいろなお酒を摂取したときの血糖値を調べると、食パンと水の組み合わせが最も血糖値が高くなったことです。つまりは水よりお酒を飲みながら糖質をとるほうが血糖値は上がりにくいということ。
このメカニズムは解明されていませんが、アルコール代謝のときに肝臓で糖をつくる作業が抑制されたり、また、肝臓に貯蔵されたグリコーゲン(分解された糖質)が消費されたりすることが原因ではないかと考えられています。
出典:『内臓脂肪の名医が教える痩せるお酒の飲み方』
【書誌情報】
『内臓脂肪の名医が教える痩せるお酒の飲み方』
著:栗原 毅
ダイエット中は痩せるために禁酒すべき、とよく言われますが、一生太らないための“長く継続できる健康管理法”という点では、禁酒を前提にしたダイエットはお酒好きにはハードルが高くなってしまい、結局挫折してしまうということも。
そんな痩せたいけどお酒も楽しみたい!という人に向けて、40年以上脂肪肝などの内臓脂肪を研究してきた肝臓専門医の著者が考案した最強の『自動痩せ飲酒プログラム』を紹介します。そもそも人間が太ってしまう原因は“脂肪肝”にあります。脂肪肝とは脂肪が肝臓についてフォアグラ状態になってしまっていることで、その状態になると痩せるための代謝機能は半減し、生活習慣病などのリスクも上がります。
本書ではそんな脂肪肝をお酒を飲みながらでも改善し、痩せていく体を手に入れるための飲み方を解説します。
プログラムの内容は、いつもと飲む量は変わらないのに自然と酒量が減る『満腹ハイボール』を作ったり、割りものを変えるだけで脂肪燃焼できる○○ハイを作る、プロのバーテンダーが教えるスパイスを使った痩せるお酒の作り方、
飲む前に食べるだけで血糖値の急上昇を抑えて太りにくくなるおつまみを食べる、などなど誰でも簡単にできるものばかり。
さらに飲んだ後に絶対やるべき痩せるための最大のアフターケア『歯磨き&舌磨き』の方法まで解説。
好きなお酒を楽しみながら、でもしっかりと痩せていくための方法を図解、イラストでわかりやすく解説する一冊です。
公開日:2023.12.09