血液の汚れは腸内環境を悪化させる【図解 血管・血液の話】
血流の悪化が便秘を招く
腸は食べ物を消化・吸収するだけの器官ではありません。腸には多くの神経細胞が集まり「第二の脳」とも呼ばれ、自律神経の働きにも深く関わっています。さらに驚くことに、体内の免疫細胞の60%以上が腸の中に存在するといわれています。つまり、腸の健康は全身の健康と繋がっているのです。ですから、ヨーグルトや納豆などの発酵食品を食べて腸内環境を整える「腸活」は、1つの健康法として理にかなっています。腸内環境が整えば、自律神経がバランスよく働き、免疫力も増強されて健康になるはずです。
ところが、いくら腸活をしても便秘や下痢を繰り返し、腸内環境が改善しない人がたくさんいます。その理由は血液。腸も血液が汚れていると機能が低下し、腸内環境が乱れてしまうのです。
腸には「上腸間膜動脈」という腸をとり巻く血管があり、この血管の血流が停滞すると腸特有の「ぜん動運動」が鈍くなります。ぜん動運動とは腸管を収縮させて便を押し出し、排便を促す動き。これが鈍ると便が詰まって腸内に老廃物がたまり、腸内環境は悪化します。さらに、便秘だと腸内に有毒ガスが増え、それが血中に吸収されて血液をよりいっそう汚すことに……。
この悪循環を断ち切るには、血液の汚れを改善しなくてはいけません。血液サラサラで血流がよくなれば、腸活効果も表れやすくなります。
腸の周りの血流が悪化すると老廃物がたまる
腸を収縮させながら便を移動させ、排便を促すぜん動運動は、腸をとり巻く血管の血流に大きく左右されます。便を排出できずに腸内に老廃物がたまると、腸内環境は一気に悪化。こうなるといくら腸にいいものを食べてもよくなりません。まずは、血流がよくなるよう改善する必要があります。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 血管・血液の話』
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 血管・血液の話』
著者:栗原 毅 栗原丈徳
著者プロフィール
栗原 毅:1951年新潟県生まれ。北里大学医学部卒業。前東京女子医科大学教授、前慶応義塾大学特任教授。現在は栗原クリニック東京・日本橋院長を務める。日本肝臓学会専門医。治療だけでなく予防にも力を入れている。血液サラサラの提唱者のひとり。
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日々の乱れた食生活や運動不足、肥満などをはじめ、さまざまな原因でドロドロになってしまう血液。「なんとなくダルい」「寝ても疲れが取れない」「むくみや冷えにずっと悩んでいる」などを感じている人は、血液の状態が悪くなっている可能性も。そのままの状態にしておくと動脈硬化になり脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めたり、血流が悪くなることで認知症などにも影響を及ぼすと言われています。人生100年時代と言われる昨今、大病せずに健康寿命を全うするためには、血液をサラサラに保っておくことが中高年以降は必須です。本書では肝臓専門医で『血液』の専門家でもある著者による、血管と強くして血液をサラサラに保つ簡単な方法をこれだけやっておけば大丈夫、という厳選したメソッドで紹介します。『血液をきれいにする歯磨き』『酢トマトを食べる』など誰でも簡単にできて効果絶大なものばかり。血圧、中性脂肪などが高い方をはじめ、いつまでも病気知らずで若々しくいたい方など、あらゆる人に読んでいただきたい一冊です。
公開日:2024.09.23