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関係者の力関係を図式化すること。ブラック心理学で自分の意見を押し通す方法とは【相手の心が9割わかる 大人のブラック心理学】

Text:渋谷昌三

大勢の前でも自分の意見を押し通す

根回しで周囲を味方につける

ビジネスシーンでもプライベートでも、人が二人以上集まれば議論が生まれ、3人以上になれば派閥が生まれると言われます。好印象をつくるという意味では、自分の意見を相手に押し付けないということも必要ですが、時にはどうしてもゆずりたくない状況もあります。ここぞという時に自分の意見を通すための心理学的テクニックはいろいろあります。

大前提として、難しい状況を切り抜けるためには周囲の協力が重要です。普段から何でも我を通そうとしていると周囲の支持は得にくくなるので、良好な人間関係を築いておくことは大切です。

というのも、大勢の中で意見を通すためには根回しが不可欠だからです。よい意見であっても、感情的な反対が出て、それに周囲が同調することで通らなくなってしまう。誰も得をしない状況ではありますが、悲しいかな、そういったケースは少なくありません。

そこでまず、関係者の力関係を図式化することをおすすめします。人気者、一匹狼、敵対関係、仲良しグループなどを把握して、キーマンにやわらかく根回しをしておくのです。

キーマンが自分の意見に賛成してくれれば、後はでしゃばりすぎずにいるのが得策。キーマンの意見は賛成されやすい、もしくは積極的な反対にあいにくいので、場の流れが自然と同調に傾きやすくなります。

冷静さと情熱が状況を好転させる

意見や提案の本質よりも、その場の流れで物事が決定してしまうことには理由があります。特に日本の場合は集団意識が強いので、反対意見が出にくいもの。安全策を重んじてしまう状態をコーシャスシフト現象と言い、反対に、リスクがあってもより大きなメリットを狙いたいという状態をリスキーシフト現象と呼びます。それらが相まって、集団意識がますます高まり、声が大きい人の意見、重要な立場にある人の意見、味方の多い人の意見に場が引っ張られがちです。それを利用して、キーマンを味方につけるというのが、先に挙げたテクニックです。

それでもどうしても少数派にしかなれない。そんな時も諦めることはありません。偉大なリーダーが、実現不可能な理想を唱え続け、周囲を鼓舞することで信じられない力を発揮し、ついには実現してしまう。または、力や実績がなくても、地道に諦めず、しっかりした理屈や理論を持って持説を唱え続け、少しずつ周囲を納得させていく。どちらも心理学的にあり得ることで、現実にも少なくありません。

自分の意見を通すため周囲を巻き込もう

多数派・少数派をうまく利用して人を操る

「みんなが持っているからほしい・安心」と多数派の意見に従う心理はバンドワゴン効果。「支持率NO.1」や「売上NO.1」といったキャッチコピーが典型例。

上と反対の心理を表すのがアンダードッグ効果。弱者や人気のない人ほど同情票が集まってくるという心理で、日本語の「判官びいき」に当たる。

同じく逆の心理を表すのがスノッブ効果。「みんなが持っているからほしくない」にアプローチして、希少性のあるものほど価値があると思わせるテクニック。

【出典】『相手の心が9割わかる 大人のブラック心理学』著:渋谷昌三

【書誌情報】
『相手の心が9割わかる 大人のブラック心理学』
著:渋谷昌三


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