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体を使わない便利な生活が原因 !?認知症は先進国が圧倒的に多い【認知機能改善30秒スクワット】

Text:本山輝幸

体を使わない便利な生活が原因!? 認知症は先進国が圧倒的に多い

米国・南カリフォルニア大学の研究チームが、南米ボリビアの先住民を対象に認知症の※有病率を調査しました。彼らは未だに文明の利器を使わず、自給自足の昔ながらの生活をしています。専門医による脳機能検査の結果、認知症の高齢者の割合は0.6%、100人中1人以下でした。日本の有病率17%や米国の有病率9%と比べると、驚くべき少なさです。どうしてこのような差が生まれるのでしょうか?

その謎を解くカギはやはり感覚神経にある、と私は考えています。日本をはじめ先進国に認知症患者が多いのは、体に負荷をかけない豊かな暮らしが感覚神経を休眠状態にし、脳が活性されないことで認知機能の低下を招いていると思われます。

一方、前近代的な生活をしている民族に認知症は見当たりません。全身を使った負荷の多い生活が感覚神経をフル稼働させ、つねに脳へ刺激を伝えているからでしょう。認知症という病気が初めて発表されたのが約120年前。つまり、体をフルに使わないと暮らせなかった時代には、認知症の人がいなかったのです。こうした事実も感覚神経と認知機能のかかわりを知る手がかりになりそうです。

ボリビアの先住民に認知症患者がいない理由

ボリビアの先住民に「認知症の人がどれくらいいるか」調査したところ有病率は0.6%。つまり認知症の人がほぼいない状況(日本の有病率17% 米国の有病率9%)

この違いはどうして生まれるのか?

世界の認知症研究者があげる要因

● 高齢化
●身体活動量の減少
● 食物摂取の変化
● ストレスや遺伝によるものなど

POINT

私は感覚神経の不調も大きな要因のひとつと考えます。ボリビアの先住民のように、全身をフルに使う生活は感覚神経を良好にし、つねに脳を活性化しているのではないでしょうか。

12歳までに感覚神経を良好にすれば将来、認知症になる危険が減る!?

認知症対策の現場で20年以上、多くの方と接してわかったのは「5人に1人は感覚神経の鈍い人がいる」ということです。

感覚神経は12歳前後に完成しますが、それまでに活発に動き回ることで、筋刺激が脳へ繰り返し伝えられ、徐々に感度が上がっていきます。ところが全身を使った遊びの減少、体を必要以上に使わない生活、過保護な親の増加などが子どもたちの感覚神経の発達を妨げ、神経ルートが未完成のまま成人するケースが増えていると思われます。

何とかして小学校卒業までの大事な時期に、子どもたちの感覚神経を万全にしておきたいものです。そうすれば将来的に認知症になるリスクを減らせるほか、つねに脳が活性されることで知的能力の向上も見込めます。その上、体のコントロール能力が上がり、競技能力も向上します。また、感覚神経が良好だと体内の異変にもすぐに気づくため、早期発見となって長寿へもつながるのです。

【出典】『認知機能改善30秒スクワット』著:本山輝幸

【書誌情報】
『認知機能改善30秒スクワット』
著:本山輝幸


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著者の20年以上の研究により、“体の感覚神経と脳機能には相関関係がある”ということが明らかになってきました。

感覚神経とは、痛い、熱い、寒い、などを体が知覚する神経のこと。
徘徊する中度以上の認知症患者は痛みをあまり感じないため、どこまでも歩いて行ってしまいますが、そのように『感覚神経』が鈍くなってしまっている人ほど認知機能が衰えてしまっているのです。
ただし、運動と言ってもウォーキングやジョギングなどの有酸素運動ではなく、『本山式感覚神経トレーニング』という筋力トレーニングです。
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太もも、おしり、ふくらはぎなど、重要な下半身の感覚神経を1つの運動で鍛えられ、時短なのに効果絶大な運動法により、認知機能の改善が期待できます。
日常生活に支障は出ていないものの、もの忘れや、今言ったことをすぐ忘れてしまうような症状がある人、その家族にはぜひ手に取って頂きたい一冊です。

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