人はなぜ誤解するのか ヒューリスティックと認知のクセを読み解く【眠れなくなるほど面白い 図解 認知バイアス】


認知バイアスの代表例|ヒューリスティック
人間が生きていくための力だが……
認知バイアスを生む直感的な思考のシステム1について紹介しましたが、この思考によって情報を処理する方法は「ヒューリスティック」と呼ばれます。
経験や先入観に基づいて物事をできるだけ簡単に素早く判断するこのヒューリスティックは、人間が生きていくうえでとても大事な能力です。ただ、実用的ではあるものの判断の正確さに欠けることから、認知バイアスを生む原因であるのも確かです。
とくに身近なものの1つに「代表的ヒューリスティック」があります。これは、1つの特徴を見て全体をまとめて判断してしまう思考のこと。
たとえば、スポーツ選手を見て「体力がありそう」、「お金を稼いでいそう」と思ったり、遅刻してきた人を見て「だらしない人だ」、「仕事もできなさそう」と短絡的に思ってしまうのが代表的ヒューリスティックです。
世の中にはその先入観に当てはまらない人もいるのに、「〇〇な人はこうだ」と認知バイアスが働いた目で判断してしまうことで、場合によっては差別につながることもあります。
ほかにも、感情ヒューリスティックや、知識があることで判断を狂わせてしまう再認ヒューリスティックなどが存在します。自分がヒューリスティックによって物事を判断していないか、注意が必要です。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 認知バイアス』
監修:高橋 昌一郎
「認知バイアス」は物事の判断が、偏見や先入観、歪んだ情報・データ、個人的経験則・記憶、思い込みなどによって、非合理的になる心理現象。社会学(社会心理学)や経済学(経済行動学)、論理学、認知科学など幅広いジャンルで研究されている。
本書では、数ある「認知バイアス」から、「確証バイアス」「正常性バイアス」「同調性バイアス」「希少性バイアス」をはじめ「ハロー効果」「ダニング=クルーガー効果」「プロスペクト理論」「スリーパー効果」など、読者の関心や興味が強いと考えられるもの、身近で陥りやすい危険の高いもの、知っていると生活にも役立つものを中心に厳選して、図解でわかりやすく伝える。
フェイクニュースや詐欺的行為や犯罪が蔓延し、AI技術の向上などによって、「何が正しいか」わかりにくくなった現代の世の中で、賢く生きていくためには必須の知識!
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