古事記にも登場!カラスが日本の神事に深く関わっていたワケ【眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話】

日本では好かれていた時代もありました

日本でも、カラスが神の使いだったことはあります。

古事記、日本書紀には神の使いとして八咫烏が登場します。咫とは長さの単位ですが、八は「たくさん」の意味でしょう。「とても大きいカラス」の意味かと思われます。

八咫烏は神武天皇一行が熊野の山中で道に迷った際、神に遣わされて道案内を務めたことになっています。バイキングに続き、ここでも道案内です。また、熊野に現れたことから、熊野大社の社印は八咫烏です。

八咫烏は三本足として描かれます。古代中国の伝説にある、太陽に住む大鴉が三本足なので、この辺からイメージを借りたのかもしれません。カラスが太陽の鳥なのは、カラスは夜明け前にねぐらを飛び立ち、夕方は集団でねぐらへ帰るからでしょう。まるで太陽からきて太陽へ帰るように見えたはずです。古代中国でも古代エジプトでもカラスは「太陽の鳥」とみなされていました。

日本ではその年の豊作を祈願して、正月にカラスにエサをお供えする習慣もありました。この風習は韓国や中国にもありますが、カラスではなくカササギ相手のようです。

それ以外にもカラスに播種時期を問う「烏勧請」や、神職が烏に扮してコミカルに土俵入りする「烏相撲」といった神事もあります。昔から農業被害もあったはずですが、一方で神のお使いでもあった、不思議な鳥です。

八咫烏ってどんなカラス?

八 「たくさんという意味
咫 長さの単位。親指と中指を広げた長さ。一咫は約18㎝。
「たくさんの咫」のカラス=とても大きいカラス

カラスで種まきの時期を占う「烏勧請」

昔は天気予報がないので、その年の天候が予測できません。そこでいつ種まきするか、カラスにお供えものを食べてもらって時期を占うのがカラス勧請です(この餅を食べたら早い、こっちを食べたら遅い、など)。豊作を祈ってカラスにエサを与える風習もありました。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』著:松原 始

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』
著:松原 始


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