「洗い物しながら鼻歌」でメンタルケア!?「マインドフル家事」で身につける安心習慣とは【今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論】


毎日のルーティンにしたい「安心習慣」
会社や学校に通う平日と自由に使える休日、それぞれの1日の流れに沿って、シチュエーションごとにおすすめのワークを紹介。
毎日のルーティンに、まずはどれかひとつ、気になるワークを取り入れてみてください。
コツコツ続けているうちに、「今日はいつもより落ち着いているな」「今日はイライラすることが少ないな」と感じられるようになるはずです。
誰でも簡単にできるワークを「安心習慣」にすることで、不安やイライラを軽減し、「不安になっても大丈夫」なあなたを手に入れましょう。
安心習慣をつくる簡単ワーク【平日・休日それぞれの1日】
予定がなく家ですごす日
外出する予定のないお休みの日、皆さんはどんなふうにすごしていますか?録画していた映画やドラマを観る、たまっていた家事をかたづける、あるいは、スマホを見ているうちに夜になっていた……ということもあるかもしれません。
それもよいですが、その時間を少しだけ、2つの迷走神経を育てるワークに当ててみてはいかがでしょうか。
たとえば、洗い物をしながら鼻歌をうたってみる。どこかから聴こえてくる鳥のさえずりに耳をすませてみる。たったこれだけでも、腹側迷走神経によい影響を与えます。
身体を動かすワークとしては、猫と牛の恰好に見立てた「猫と牛のポーズ」というストレッチもおすすめ。
2つの迷走神経をケアするには、まずひとりの時間を充実させるのが大切だと聞きました。私の場合、お休みの日は時間をもてあましてしまって、もっぱらスマホをいじっているうちに1日が終わることが多いです。
せめてブラブラ散歩でも、と思うこともあるのですが、歩くのが面倒になってしまうんですよね。
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せっかくのお休みですから、自分が心地いいと感じることをするのがいちばんです。ただ、スマホをずっと触るのは、自律神経に負担をかけてしまうかもしれません。
歩くのが面倒なら、お部屋でできるストレッチを試してみてはいかがでしょう。気分が落ち着き、血流がよくなってすっきりしますよ。
WORK1:猫と牛のポーズ
1.両腕と両ひざを立てて、ひざが尻の下、手首が肩の下にくるように、四つんばいの体勢になる。

2.息をゆっくりと吸いながら背中をそらし、おなかを床に近づけ、頭と背骨を上へもち上げる。

3.息を吐きながら背中を丸め、あごを胸に引き寄せ、おへそを背骨に引き寄せる。

この動作を1〜2分間続けると、気分が安らぎ、不安やイライラを軽減できます。
WORK2:マインドフルに家事をする
洗濯物をたたむ、料理をする、お風呂を掃除する。何気なくやっている日々の家事が、おっくうだったり、時間に追われてやっつけ仕事になっていたりしませんか?
家事をするさいに、ひとつひとつの動作に「気づき」を向けて、マインドフルにやってみましょう。目の前の動作に集中することで、気持ちがだんだん落ち着き、「今ここ」度がアップしていきます。
WORK3:遠くの音を聴く
人はあんがい、遠くから聴こえる音を気にしないものです。ときには、遠くの音に耳を傾けて、環境とのつながりを感じてみてください。野鳥の鳴き声、学校のチャイム、カンカンという踏切の音……
そうした音に耳を傾けることは、環境とのつながりを感じることでもあります。また、遠くの音から近くの音へ集中をシフトさせると、中耳(耳の鼓膜より奥)の筋肉を刺激し、腹側迷走神経が育っていきます。
WORK4:鼻歌をうたう
ひとりで誰に気兼ねなくすごす日は、鼻歌をうたってみるのもよいでしょう。リズムや音程をとることは、腹側迷走神経にとてもよい影響を与えます。ポリヴェーガル的には、高音で伸びる音が特徴の歌が、とくに腹側迷走神経を優位にさせるとされています。演歌やオペラ、ミュージカルのほか、高音が持ち味の女性アーティストが歌うバラード曲もおすすめ。ストレス解消も兼ねて、ぜひやってみてください。
WORK5:ボディスキャン
外受容感覚(五感)と内受容感覚を磨くことは、2つの迷走神経を育てるうえでとても重要です。これらを磨くワークとして、部屋の外、部屋の中、自分の内側へ、順に意識を向けるというものがあります。
外にいる鳥のさえずりに耳をすませ、室内を見回したりして、身体の中の緊張している箇所に風が吹いているのをイメージするというふうに、意識をシフトさせていきましょう。
【出典】『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』著:浅井 咲子
【書誌情報】
『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』
著:浅井 咲子
3つの自律神経を味方につけて〈不安ぐせ〉を〈安心ぐせ〉に変える!
「次から次へと心配ごとがでてくる」
「ニュースやSNSで不安になりがち」
「イライラする」「ストレスに弱い」
「気持ちの浮き沈みがはげしい」「やる気が起きない」
などの〈不安ぐせ〉を抱える人へ。
ポリヴェーガル理論は、ステファン・ポージェス博士によって提唱された自律神経系の神経理論です。
自律神経を、1つの交感神経と2つの副交感神経(背側迷走神経と腹側迷走神経)の3つで捉えます。
本書では「セオリー」「テクニック」「ワーク」に分けてわかりやすく紹介します。
本当は必要ではないのに過剰に防衛したり、考えても仕方がないことにイラっとしたり、不安になったり。
そうしたもったいない時間を減らして、「今ここ」にある幸せを感じ、安心できるようになるためのメソッドです。
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