食事の回数は増やすべき? タンパク質摂取の最適解とは【鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ】

食事回数は自由でよいが、タンパク質は毎食均等に摂るべき

食事の回数は増やすべき?

 筋肥大を最大化するためには食事の回数を増やすべきか、少ない回数でしっかりと食べるべきか。この疑問に終止符を打ったのは、2021年、早稲田大学から発表された研究です。

 この研究では、1日3回の食事と1日6回の食事がもたらす影響について、分析が行われました。アスリート20名を対象に、食事内容は被験者の消費エネルギー+体重1㎏あたり20gを余分に摂取するという条件に統一し、「1日の総カロリーを3回に分けて摂取するグループ」と「6回に分けて摂取するグループ」に分け、体重・筋肉量・脂肪量の増加率、食欲の変動に関して詳細な分析が行われました。その結果、両グループともに体重・筋肉量・脂肪量の増加が確認され、食事の回数による違いは見られませんでした。

 つまり、総摂取カロリー量を統一すれば、食事回数は体組成に大きな影響を与えないというわけです。よく、6食に分けて摂取するメリットとして、食間が短いことで食欲を抑えやすいといわれますが、科学的データでは6食のほうが空腹感が強くなる、というデータが多く、食欲に関しては個人差が大きいと思われます。

タンパク質は3食均等の量がベスト

 2020年、立命館大学から発表された論文では、朝は軽めに昼・夜でがっつり食べるという日本人に多い「タンパク質摂取のバランスを崩したグループA」と「3食均等にタンパク質を摂取したグループB」に分け、筋肉量や筋力にどのような違いが現れるかを調査しています。どちらのグループも1日に摂取するタンパク質量は同じにして、12週間、食事に加え週3回、中〜高強度の筋トレを行い、筋力、筋肉量の評価を行いました。

 まず筋肉量に関しては、Aグループが1.8±0.3㎏だったのに対し、朝から十分なタンパク質量を摂取したBグループは2.5±0.5㎏と、大幅な増加が見られました。

 筋力に関しては、どちらも向上が見られましたが、若干Bグループでより高い増強率が確認されました。

 つまり、3食均等にタンパク質を摂取したほうが筋力、筋肉量ともに向上しやすく、筋トレの効果を最適化できる、というわけです。

 筋タンパク質の合成率を考慮すると、最低でも1食に1㎏あたり0.24gのタンパク質が必要といわれますが、先のデータと合わせて考えると、1食あたりのタンパク質量をクリアしていれば、1日3食の食事で十分に筋肉量を増やすことができるということです。

ロイシンの摂取もポイント

 3回の食事で体重1㎏あたり0.24gのタンパク質、+2g以上のロイシンの摂取も重要になります。必須アミノ酸のロイシンは、筋タンパク質合成に必要なシグナル伝達の活性化に関与しているため、必ず摂取します。ただし、2〜3gのロイシンは、ホエイプロテイン1食分に含まれているため、毎食後、第三者機関認定済みのホエイプロテインを摂取していれば、ほぼ確実に体重1㎏あたり0.24gのタンパク質と2g以上のロイシンの摂取はクリアすることができます。3回の食事、特にタンパク質量が低下しやすい朝食後にホエイプロテインパウダー1食分を摂取することを忘れないようにしましょう。

【出典】『鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ』著:理学療法士・パーソナルトレーナー 論文男

【著者紹介】論文男(ろんぶんおとこ)
理学療法士。パーソナルトレーナー。現役理学療法士として、小児・スポーツ選手・高齢者のリハビリに従事する傍ら、13年以上の指導経験を生かし、科学的データに基づいたエビデンスレベルの高いトレーニング方法を発信。年間500本以上の論文を読み漁り、最新研究を現場で実践に落とし込む。YouTube 『論文で解決 〜筋肉と栄養を科学する』は登録者23万人以上。3児の父として、忙しいワーカー向けに最短で理想のボディを作るメソッドも開発。筋トレ・栄養・リカバリーを科学的に体系化した指導に定評がある。

【書誌情報】
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著:理学療法士・パーソナルトレーナー 論文男


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