占いの書なのに「当てる」より「読む」を選んだ易経の特異性【眠れなくなるほど面白い 図解 易経】

未来ではなく現在を読む

 書物を読む場合、たいていの人は最初から読み進めるのではないでしょうか。しかし易経は、多くの古典のように、最初から順番に読むことを前提とした書物ではありませんでした。占いの書として用いられてきたため、読む順序は固定されていないのです。占いを立て、その結果に対応する卦のページを開き、必要な箇所を読むのが本来の使われ方です。

 ここで大切になるのは、易経が的中率に重きを置いていないという点でしょう。未来を言い当てることを目的とせず、示された言葉をどのように受け取り、進むべき道を導き出すかが重視されたのです。結果そのものよりも、結果を通して状況を読み解く姿勢が求められました。

 また、易経の言葉は、具体的な行動を直接指示するものではありません。そこに記されているのは、成功か失敗かという結論ではなく、変化の途中にある状況をどの角度から捉えるべきかという視点です。読み手はその視点を手がかりに、自分なりの解釈を組み立て、これからの方向性を決定していきます。

 したがって易経は、未来を当てるためではなく、該当の箇所を読んで適切な判断をするための書として受け継がれてきました。あくまで状況の捉え方を示すという点に、易経の大きな特徴があります。

順に読まず必要なところを読む

易経は、占いの結果に応じて該当のページを開き、必要な箇所を読むという使われ方をしてきました。ほかの一般的な古典のように、最初から順に読み進める必要はありません。

一般的な経典 

易経 

現在に重きを置いて考える 

易経は、未来を言い当てることを目的としません。示された言葉を手がかりに、いまの状況をどう捉えるか考えるためのものでした。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 易経』監修:湯浅邦弘

【監修者情報】
湯浅 邦弘(ゆあさ・くにひろ)
1957年、島根県生まれ。中国哲学・思想史研究者。大阪大学名誉教授、立命館大学 白川静記念東洋文字文化研究所教授。専門は中国古代思想史。先秦から漢代にかけての思想を、文献資料や新出土史料をもとに読み解く研究で知られる。著書に『中国思想の基礎知識』(青弓社)、『諸子百家 儒家・墨家・道家・法家・兵家』(中公新書)、『中国古典の生かし方――仕事と人生の質を高める60の名言』(NHK出版新書)などがある。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 易経』
監修:湯浅邦弘


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『論語』や『大学』など四書五経のひとつに数えられ、なおかつその中でも最も古くに成立した中国の書物『易経』。
現代では占いの書というイメージが強い『易経』の書ですが、占い以外にも大切な教えがたくさん記されています。それらの本質とは、「変化する社会をどう受け止め、迷いの中でどう考えるか」という視点なのです。

本書では、
「『陰』と『陽』は固定化された対立関係ではなく、行き来しながら移り変わるもの」
「八卦は実用の中で磨かれていった最小単位」という基本的な考え方から、
「立ち止まることもまた判断のひとつ」
「人は成功体験を手放せないもの」など、現代にも通ずる教えまで
難しそうで手を出しづらい『易経』をゼロからわかりやすく解説!

純粋な知識として学んでみたいという方も、今の人生に迷っているという方にもオススメな、『易経』の魅力を余すことなく知ることのできる一冊です。

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