「スモールステップ 」でできるところから!学校行事を嫌がる子のおうちサポート方法を紹介【発達が気になる小学生のおうちサポート帖】

入学してからの「困りごと」とおうちサポート【学校行事に参加できない /予定変更にパニックになってしまう】

困りごと【子どもはどう感じている?】

 授業参観、遠足、社会科見学、運動会、発表会、移動教室などいろいろな行事があります。それらを楽しみにしている子もいますが、不安や緊張などから参加することができない子、いやがる子もいるかもしれません。

 参加したくない理由をたずねると「みんなとやるのがいや」「大きい音がいや」「◯◯はきらい」など、子どもはいうかもしれません。ただし、まだこの年齢の子どもは、自分の状態や気持ちを整理して言葉で説明することが難しいです。本当に気にしていることは別にあるのかもしれません。子どもが何をどのように感じているのか、何につまずいているのかを観察し、探っていきましょう。

考えられる背景【いつもと違うことが不安、苦手だと感じる根底には ……】

 小学校の行事は規模が大きく、参加人数も多くなります。この大人数に不安や緊張を感じてしまう子もいるでしょう。

 また、時間割が変わる、経験のないことを求められる、先生たちのいつもと違う様子に不安を感じる子もいます。予定変 更が苦手な子は、全般的に変化に弱かったりします。言葉からイメージすることが苦手で、いつもと違う状況が想像しにくく安心して取り組めない子もいるのかもしれません。また、自信のなさから「やりたくない」という子も。

イラスト:こやまもえ

サポートポイント【「スモールステップ 」でできるところから】

 できれば行事には参加させたいと思うところですが、無理強いはさせないこと。苦い経験、失敗体験になり、ますます参加しにくくなることがあります。

 子どもは「やりたくない」「面倒くさい」「だるい」といっていても、実は「参加したい」「うまくやりたい」と思っている場合も少なくありません。参加しない理由をたずねても答えられない、「いやだから」としかいわないなど、理由がわからない場合もあります。その質問をされたことで参加していないことを責められていると感じる子もいるかもしれません。その場の様子や言動だけではなく、他の場面と照らし合わせながら子どもの思いを探っていきましょう

 実際の行事の様子を映像や写真などで見せたり、他の子たちがやっている様子を見学してみましょう。どんなことをやるのかイメージがつきやすくなると思います。離れた場所から、見学だけ、途中まで参加、一部だけ参加、衣装はつけずに参加など。いくつかの選択肢から選べるようにすると子どもの負担感や不安感が少し軽減されるかもしれません。ただし、学校の中でのことなので、先生と相談しながら進めていきましょう。時間はかかるかもしれませんが小さな変化を見逃さずに、子どものがんばりを認める、ほめるようにしましょう

 予定変更が苦手な場合は、「〇〇なときもある」 を想定して、 何が変わって、どうなるのか、どうしたらいいのかをあらかじめ説明します。文字や図式、イラストなど視覚的に示すと、整理されわかりやすくなる子もいます。

 家庭では、夕飯のメニュー変更、行先が予定と変わるなどで練習してみましょう。予定変更が受け入れられたときはほめるとともに、「予定変更につきあってくれたから助かった、ありがとう」など、変更を受け入れてよいことがあった、まわりは感謝しているということも伝えましょう。

 予定が変更になっても、なんとかなった、大丈夫だったという成功体験が他の場面での「やってみよう」につながっていくでしょう。

【出典】『発達が気になる小学生のおうちサポート帖』監修:湯汲英史

【監修者情報】
湯汲英史
公認心理師・精神保健福祉士・言語聴覚士。早稲田大学第一文学部心理学専攻卒。現在、公益社団法人発達協会常務理事、練馬区保育園巡回指導員などを務める。
著書に『0歳〜6歳子どもの発達とレジリエンス保育の本―子どもの「立ち直る力」を育てる』(Gakken)、『子どもが伸びる関わりことば26―発達が気になる子へのことばかけ』(鈴木出版)、『ことばの力を伸ばす考え方・教え方―話す前から一・二語文まで―』(明石書店)、監修書に『心と行動がよくわかる図解発達障害の話』(日本文芸社)など多数。

【イラストレーター】
本田佳世、こやまもえ

【書誌情報】
『発達が気になる小学生のおうちサポート帖』
監修:湯汲英史、イラスト:本田佳世/こやまもえ


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親子で「こうしたらうまくいくかも」をつかんでいくことを目指します。

発達に障がいを抱える子どもや青年と40年以上かかわり、
小学生前後から成人後までひとりの人と向き合う、
公認心理師・湯汲英史先生だからこその視点で紹介します。

「テキパキ通学路を歩かない」
→手をつながず、大人のカバンを触って一緒に歩き、速さや人との距離感を覚える

「着替えに時間がかかる」
→おうちでは「フラフープの中」や「ジョイントマットの上」だけで着替えるルールにして、着替え中に歩きまわらない・気を散らさない習慣を身につける

「当番や係ができない」
→おうちでもくつを並べる、机をふく、洗濯物を外すなどの当番制を導入

「授業中に立ち歩く」
→おうちでは「座るカード」を作成し、このカードが机にある間は座っているゲームを取り入れる

「忘れもの、なくしものが多い」
→ランドセルのふたの裏に「持ち帰るものリスト」を貼る、おうちに「連絡帳・プリント置き場の箱」をつくる

「自分の気持ちを伝えられない」
→おうちでは「気持ちのことばリスト」を指でさすところから

「人の話を聞かない」
→おうちで、ぬいぐるみをもっている人が話すゲームをしてみる。話終わったらぬいるぐるみを相手に渡してだまるなど

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