【老けない人がやっている 昨日の疲れが一晩で無くなるすごい習慣】就寝2時間前の“睡眠禁止ゾーン”の正体とは

入眠直前に現れる睡眠禁止ゾーン

早寝が難しいのは体の自然なシステムの問題だった

 日中ずっと起きていれば睡眠圧が上昇し、自然に眠くなります。それならば、睡眠圧は眠る直前にもっとも高くなっているはずです。

 ところが、1日を20分(覚醒と睡眠の1周期)ごとにくぎって行なった睡眠実験によって、どの時間帯が入眠しやすいか調べたところ、ふだん寝る時間の2時間前から就寝直前までが、もっとも眠りにくいとわかったのです。脳が眠りを拒むこの時間帯をフォビドンゾーン(進入禁止域)と呼びます。いうなれば、睡眠禁止ゾーンです(↓下図)。

 夕方から高まる眠気を抑えこんで夜まで活動するために、覚醒力が働くので、睡眠圧の高まる就寝前にフォビドンゾーンの現象が強く現れます。翌日の朝が早いからといって、いつもより1〜2時間早く寝ようとしても、なかなか寝つけないのは、まさしくフォビドンゾーンのタイミングで眠ろうとしているからです。

 じつは無理に早く寝ようとするより、いつもの時間に寝て早く起きるほうが、睡眠時間が短くなったとしても、眠りの質は守られます。

 眠りの質を確保するためには、まずは起きる時間を決めましょう。朝は必ず決まった時間に起きるようにすると、眠くなる時間も決まってきます。就寝時間が決まると、睡眠パターンも確立されるので、結果的に「黄金の90分」へもスムーズにみちびかれます。

就寝前2時間はかえって目がさえる!

1日を20分ごとのブロックにくぎって、
睡眠状態のデータをとってグラフに表すと…

20分の内訳は「13分起きて、7分寝る」というもの。
この7分間の睡眠時間に「眠りに落ちる頻度」から眠気の強さを測った(下図青線)。
イスラエル・イスラエル工科大学のLavieらによる報告(1986年)

たとえば、毎日午前0時ごろに眠る人は、22〜0時までの2時間は眠りにくい。

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寝る力と起きる力はセットで働く

覚醒と睡眠のカギはオレキシンがにぎっていた!

 睡眠と聞くと眠ることばかりを考えがちですが、日中にどう起きているかも重要です。

 人は十分に眠れていると、日中は14〜16時間ほどは起きつづけられます。これは、オレキシンという神経伝達物質が活躍するからです。 オレキシンの活動は、概日リズム(サーカディアンリズム)によって変動します。日中は脳内で活発に働いて、夜になるにつれて弱まります。そして、夜間は睡眠圧がオレキシンの活動を上回るので、眠くなるのです。

 監修者らのグループは、睡眠障害のナルコレプシーの発症の原因がオレキシンの欠乏にあると突き止めました。ナルコレプシーは突然睡魔に襲われる過眠症の一種ですが、じつは長い覚醒が保てなくなることで睡眠発作が起こると判明したのです。

 マウスを使って、オレキシンをつくる神経細胞に光刺激を与えたり抑制したり実験を行なうと、それまで眠っていたマウスを瞬時に目覚めさせることも、瞬時に眠らせることもできました。

 特定の神経細胞に光刺激を与えることで、目覚めさせたり、眠らせたりできるのであれば、不眠に悩むこともなくなります。残念ながら、今はまだ人に応用できませんが、光の成分は睡眠と覚醒に重要な刺激なのです。

脳の覚醒を左右する神経伝達物質

オレキシン/ヒスタミン/ノルアドレナリン/ドーパミン

覚醒をサポートする神経伝達物質。

日中

視床下部外側野にあるオレキシン神経細胞が、視床下部後方のヒスタミン神経細胞や、脳幹にあるノルアドレナリン神経細胞、ドーパミン神経細胞の活動を活発化。

オレキシンやヒスタミンなどの力が強く、覚醒状態が維持される。

フォビドンゾーン

睡眠圧が高まるが、それにあらがうように、視床下部外側野にあるオレキシン神経細胞が強く作用。

睡眠圧よりもオレキシンやヒスタミンなどの覚醒ニューロンの活動が高まるので、覚醒状態が維持される。

睡眠中

視床下部の腹側外側にあるGABA神経細胞が作用して、覚醒にかかわるオレキシン、ヒスタミンなどの活動を抑制。

睡眠圧のほうが強くなり、睡眠状態が維持される。

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分割睡眠が忙しい現代人を救う!?

分けて睡眠をとってもよいと気楽に考える

  不眠気味の人や高齢者など、夜中に目が覚めてしまい、連続して長い時間眠れないことがあります。たとえば、2時間眠って目が覚めて、そのあと4時間眠った場合、6時間睡眠と考えていいのでしょうか。 細切れの睡眠は、分割睡眠ともいいます。まとまった睡眠と比べたら、質のよい眠りとはいえません。ただし、うまく活用できれば、分割睡眠もきちんと疲労回復の助けになります。

 分割して眠っても、深いノンレム睡眠があれば睡眠の重要な機能は果たされるので、リフレッシュでき、元気にすごせるからです

 交代勤務などで毎日同じ時間帯に眠ることができないような人たちにとっても、分割睡眠は自分の生活サイクルに合わせて調節できるので、とり入れやすいかもしれません。たとえば、黒柳徹子さんは分割睡眠を実践する著名人としても知られています。

 かつては人もほかの哺乳動物と同じように、1日に何回も眠る「多相性睡眠」が基本でした。

 農耕生活を行ない、居住地で「昼に活動して夜に眠る」生活が定着したことで、夜間6〜8時間連続して睡眠をとるようになったのです。ですから、連続して眠れないことを気にしすぎる必要はありません。分割睡眠でも、深い睡眠をとれていればよいのです。

分割睡眠にはさまざまな方法がある

多相性協会の提示による分類

【シエスタ・スリープ】

昼食後20分ほどの仮眠をする分割睡眠。
スペインでは地方へ行くと、今も一般的に行なわれている。

【エブリマン・スリープ】

夜3時間半眠り、日中3回の20分の仮眠でこまめに眠気をとりのぞく方法。総睡眠時間は4.5時間。

【ウーバーマン・スリープ】

1日6回の20分間の仮眠ですごす分割睡眠。
ウーバーマン(超人)のような睡眠スタイル。

【ダイマキシオン・スリープ】

1日4回の30分間の仮眠をとる分割睡眠。
アメリカの発明家バックミンスター・フラーが考案。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 睡眠の話』監修:西野精治

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 睡眠の話』
監修:西野精治


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