積み木やごっこ遊びは脳の筋トレ!乳幼児期に一番大切な”体験”ができる「認知遊び」とは?【発達が気になる子の認知遊び】

認知の土台を育むポイント
認知発達と「遊び」の関係

認知遊びとは?

 認知発達とは、見る・聞く・記憶する・考える・予測するなど、情報をキャッチし、物事を理解して考える力が育っていく過程を指します。人は日常のなかで多くの情報を受け取り、それを整理して「次にどうするか」を判断しています。

 認知発達はこの一連の過程を支える基盤であり、学習だけでなく、生活全般や人との関わり方に深く関係しています。特に乳幼児期においては、知識を教えられるよりも、実際に「体験し、感じ、考える」ことが何より重要です。遊びはそのもっとも自然で効果的な学びでもあります。

 たとえば、積み木を積む遊びひとつをとっても、子どもは「どうすれば倒れないか」「どの形を上にのせると安定するか」といった思考を働かせています。このとき、形や 重さを見比べる「分析力」、空間をイメージする「空間認知」、何度も試して工夫する「柔軟な思考力」が育っています。

 ごっこ遊びでは、他者の立場を想像し、「もし自分が○○なら」と考える力が育ちます。これはのちの社会的認知、つまり他者理解の基盤にもなります。

 このように、遊びは認知の発達を自然に支え、脳のネットワークを豊かに広げていくのです。

 当書で扱う「認知遊び」は、日常のなかで遊び、関わりながら、その子のペースで認知の土台を育てていくための視点と遊びです。

 特に、発達が気になるが診断の有無に関わらず支援したい子、集団のなかでつまずきやすい子、「教える」より「子どもの力を引き出す」関わりを大切にしたい場面などで、無理なく取り入れることができる遊びを紹介します。

発達が気になる子との関連性

 発達が気になる子にとって、認知発達を育む遊びは特に大切です。なぜなら、彼らが日常生活のなかで感じる「わかりにくさ」や「混乱」は、単なる行動上の問題ではなく、「情報を整理して理解する力の未発達」によることが多いからです。

 たとえば、「片づけて」といわれても、「片づけて」という言葉 がキャッチできない、もしくは言葉がわかってもどれをどこに片づけるのか、順序がわからない場合があります。認知発達の力が育っていくと、言葉を理解し、「物の分類」や「順序立てて考える力」がつき、生活場面での理解がスムーズになります。その結果、指示が通りやすくなり、失敗や注意を受ける場面が減るようになり、子ども自身も落ち着いて過ごせるようになることもあります。

 また、認知発達は「感情のコントロール」とも密接に関係しています。認知発達によってこのあと起こることが予測できるようになると、「突然の変化」に対する不安や混乱が減ります。

 発達が気になる子のなかには、予定変更に強く反応したり、切り替えが難しい子が少なくありません。これは、頭のなかで状況を整理し「次にどうすればよいか」を考える力が十分に育っていない場合もあります。

〇遊びが続きにくい子

「集中できない」のではなく、遊びをまとめる認知の力が育ち途中。

イラスト:おおたきょうこ

〇集団遊びに入りづらい子

関わりたい気持ちはあるが、「どう入るか」「何をすればいいか」が整理しきれていない状態。

イラスト:おおたきょうこ

〇指示が入りにくい子

聞いていないのではなく、情報を同時に処理する認知の負荷が高い。

イラスト:おおたきょうこ

〇切り替えが難しい子

気持ちの問題ではなく、「終わり」「次」を頭のなかでつなぐ力が育ち途中。

イラスト:おおたきょうこ

〇ルールのある遊びが苦手な子

「ルール理解=知識」ではなく、記憶・予測・抑制といった認知機能の組み合わせ。

イラスト:おおたきょうこ

【出典】『発達が気になる子の認知遊び』著:藤原里美

【著者情報】
藤原里美(ふじわら・さとみ)
一般社団法人チャイルドフッド・ラボ 代表理事/臨床発達心理士/保育士
公立保育園・東京都立梅ヶ丘病院・東京都立小児総合医療センター・明星大学非常勤講師を経て現職。
発達障害のある子どもの療育、家族支援を行うとともに、園の巡回や発達支援の研修など、支援者育成にも力を注ぐ。「子どもを変えずに、子どもの周りの世界を変える」支援方法により、現場や家庭で実現可能な実践方法を発信している。

【書誌情報】
『発達が気になる子の認知遊び』
著:藤原里美


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認知発達とは、見る・聞く・記憶する・覚える・考える・予測するなど、情報をキャッチし、物事を理解して考える力が育っていく過程を指します。

わたしたちは日常のなかで多くの情報を受け取り、その情報をあたまのなかで「整理して」、「次にどうするかを判断」しています。
認知発達はこの一連の過程を支える基盤であり、学習だけでなく、生活全般や人との関わり方に深く関係しています。

・遊びが続きにくい
・集団遊びに入りづらい
・指示が入りにくい
・切り替えが難しい
・ルールのある遊びが苦手 など発達が気になる子にとって、
認知発達を育む遊びは特に重要です。

本書で紹介する150個の「認知発達遊び」は、日常のなかで遊び、関わりながら、
その子のペースで認知の土台を育てていくためものです。
認知発達をつぎの7つの領域に分けて解説し、それぞれの領域を育てる具体的な遊びの提案をしています。
1知覚
2注意・処理
3記憶
4言語思考
5実行機能
6社会的認知
7メタ認知

診断の有無にかかわらず支援したいとき、「教える」より「育てる」関わりを大切にしたい場面などで、
それぞれの発達段階にあわせながら、無理なく取り入れられる遊びを紹介します。

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