【カテエラ防止】どんなに筆が立っても落とされる?新人賞レースで絶対に避けるべき「カテゴリーエラー」

書く前にやっておきたい編集目線の下準備

物語を書きはじめる前に、用意しておきたいことがあります。「どの賞を狙うか?」「その賞の読者は?」執筆に入る前に、スケジュールまで設計していくことが大切です。


狙う賞・媒体を決める

応募先ごとに求められるテンポや文体は変わります。最初に“どこへ届ける作品か”を決めることで、物語の速度・語り口・構成の深度が自然に揃います。

要点

  • 媒体ごとに読み味の基準が違う
  • 応募先を決めると構成の迷いが減る
  • 編集者は作家自身の人間性も見る

【編集者】読まれる場所を意識して物語を設計する

 応募先を決めないまま書きはじめると、物語の速度や描写の濃度が定まらず、読み味に一貫性が失われます。媒体ごとに読者層も期待値も異なり、文芸は余白と情緒、エンタメは速度と展開、Web小説は即時性とわかりやすさが期待されます。

 狙う賞や媒体を先に定めることは、作品の“地図”を描く行為です。たとえば同じ企画でも、紙の文芸誌なら静かな導入が効き、ライト文芸なら人物関係を早めに提示し、Web投稿なら第一段落から強いフックが必要になります。作品を届ける先を決めれば、構成の強弱や言葉の選択にも迷いが減り、作品全体が自然に整うのです

 編集者が評価するのは、“読まれる場所を意識した設計”ができている作品です。媒体の特性を無視した原稿は、どれほど物語が魅力的でも期待に噛み合わず、読者の離脱を生みます。媒体を決定し戦略を早期に固めることが、選考で地力を発揮する一番の近道なのです。

【作家】作家活動は編集者とのタッグが大切なチームプレー

 カテエラ(=カテゴリーエラー)というワードが浸透して幾久しい。賞狙いでメジャーデビューを考える書き手なら誰もが意識する業界用語です。

 昨今はWeb小説の台頭によって公募作品が多岐にわたり、しかも厳密にジャンルや題材まで決められるケースが増えました。ティーンの恋愛小説を募集するライトノベル新人賞に、渋いベテラン刑事たちの警察ミステリーを送ってもまず通りません。応募先の賞と媒体を選ぶ瞬間から賞レースの選考はつまると考えてください

 この時代、カテエラ作品を平気で送る書き手は、どんなに筆が立とうとも、ちょっと“難しい人”と受け止められがち。出版社側は作品自体の可能性に加え、書き手の人間性や性格まで原稿を通して審査するケースが増えています。作家活動は編集者とのタッグが大切なチームプレー。協調性と聞く耳のある書き手が求められます。

カテゴリーを意識しない作品は編集者に認められない

【出典】『プロの編集者&小説家が教える クリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』著:秀島迅/監修:Nola編集部/イラスト:真崎なこ

【著者紹介】
秀島迅
青山学院大学経済学部卒。2015年、応募総数日本一の電撃小説大賞(KADOKAWA)から選出され、『さよなら、君のいない海』で単行本デビュー。小説家として文芸誌に執筆活動をしながら、芸能人や著名人のインタビュー、著述書、自伝などの執筆も行なっている。近著に長編青春小説『その一秒先を信じて シロの篇/アカの篇』二作同時発売(講談社)、語彙力図鑑シリーズなど著書多数。また、コピーライターや映像作家としての顔も持ち、企業CM制作を現在も月10本以上手がけている。

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【書誌情報】
『プロの編集者&小説家が教える クリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』
著:秀島迅/監修:Nola編集部/イラスト:真崎なこ


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