アマチュアこそ実践!「見栄」を捨ててパターを使うべき理由|『ゴルフは気持ち』に学ぶスコアを劇的に変える「最善の手」の選び方

グリーン周りからのアプローチ。目の前にはバンカーや深い芝。 あなたは当然のようにサンドウェッジ(SW)やアプローチウェッジ(AW)を手に取っていませんか?

「アプローチはウェッジでフワッと浮かせて寄せるのがカッコいい」

「プロのようにピタッと止まるスピンショットを打ちたい」

そんな「憧れ」や「見栄」こそが、実は多くのアマチュアゴルファーのスコアを崩壊させる最大の要因となっています。

いけうち誠一氏のゴルフメンタルマンガの金字塔『ゴルフは気持ち』第23話「もうひとりの自分」では、この「見栄」を克服し、冷徹に「最善の手」を選ぶことの重要性が、非常にユーモラスかつ本質的に描かれています。

今回は、なぜアマチュアこそ「見栄」を捨ててアプローチでパターを使うべきなのか、そしてそれを可能にするコースマネジメントの極意を解説します。


アマチュアを惑わす「ウェッジ信仰」と「みっともない」という見栄

マンガの主人公である神田(カッちゃん)が、ピン手前にバンカーが控えるアプローチの場面を迎えたときのことです。カッちゃんは当然のように「ウェッジで上げて寄せよう!」と息巻いていました。

しかし、彼の脳内の「もう一人の自分」は冷静にこう諭します。

もう一人の自分: 「ウェッジはやめた方がいい。ここからならパターが使える。パターを使え」
カッちゃん: 「そんなみっともないことできるかよ!」

ここに、アマチュアゴルファーの心理が凝縮されています。 「グリーン外からパターを使うなんて、初心者みたいでカッコ悪い」「みっともない」というプライド(見栄)が、冷静な判断を曇らせてしまうのです。

しかし、もう一人の自分はさらに冷酷な事実を突きつけます。

もう一人の自分: 「だってこのあいだもウェッジを使ってダフったじゃないか!あの(ミスをした)ほうがもっとみっともない!」
カッちゃん: 「もうダフりゃしないよ!あのときはたまたま……」
もう一人の自分: 「またダフるね。よく考えてみろ。パターなら絶対にダフらない。悪くとも5メートルには寄る!」

ウェッジで奇跡的なロブショットを打ってピンそば1メートルに寄せる確率は、アマチュアの場合おそらく10%以下。

一方で、チャックリ(ダフリ)やトップを犯し、グリーンを往復して大叩きする確率は30%以上もあります。

これに対し、パターであれば、大ダフリや大トップの危険性はほぼゼロ。多少タッチが合わなくても、確実に5メートル以内には収める(=大ケガをしない)ことができます。

「一か八かの大技」に挑んで大叩きするのと、「手堅いパター」で確実に収めること。本当に「みっともない」のはどちらでしょうか?


プロさえも選ぶ!「パターが一番」と言える強さ

「プロはどんな状況でもウェッジで寄せる」と思い込んでいるゴルファーも多いですが、それは大きな誤解です。

作中でも、もう一人の自分が「この場面ならプロでさえパターを使う」「プロだってあそこからならパターだからね」とカッちゃんを説得します。

同席していたキャディさんも「キャディさん一押し!パターが一番!」と太鼓判を押します。

実際、全英オープンなどの海外メジャー大会を見れば、世界最高峰のプロたちがグリーン外のラフやフェアウェイから躊躇なくパター(あるいはユーティリティでの転がし)を選択している姿を何度も目にします。

プロがパターを使うのは、彼らの技術が劣っているからではありません。「ゴルフは常に最良の手(最もミスの確率が低い選択)を選ぶべき、冷静なゲームである」という本質を徹底的に理解しているからです。

カッちゃんは脳内の説得に応じ、しぶしぶパターを手に取ります。力加減に注意しながら放ったパターでのアプローチは、見事にグリーンを転がり、ピンそばにピタッと寄りました。

「ナイスタッチ!」と絶賛され、カッちゃん自身も「これでパーは確実だ!ゴルフは冷静に、最良の手を選ぶべきだ!」と大喜びします。


「見栄」を克服し、コースマネジメント力を高める2つの絶対ルール

アプローチでの大叩きをなくし、スコアを劇的に変えるためには、以下の2つのルールをマイルールとして脳内に叩き込んでおきましょう。

ルール1:「パターが使えるならすべてパター」をデフォルトにする

グリーン周りに来たら、まず「ウェッジでどう寄せるか」を考えるのをやめましょう。 代わりに、「パターが使えない理由はあるか?」から逆算して考えます。

  • 芝が極端に深くてパターの転がりを著しく妨げるか?
  • 目の前にパターで越えられない深いバンカーがあるか?
  • 極端な急傾斜や障害物があるか?

これらに該当しない(=パターが物理的に転がせる状況である)ならば、迷わずパターを選択してください。これが最も確率が高く、最も大叩きを防ぐ「最良の手」です。

ルール2:「スコアとしての美しさ」を優先する

「アプローチをウェッジでカッコよく決めてボギー」よりも、「不格好にパターで転がしてパー」を拾うこと。

ゴルフというゲームにおいて、真に「カッコいい」のは後者、すなわちスコアカードに刻まれる数字の美しさです。

「見栄」に惑わされず、「最終的なスコアをどう最も安く抑えるか」を競うのが大人のゴルフマネジメントです。


まとめ:見栄を捨てた瞬間、あなたのスコアは劇的に変わる

ゴルフ場という非日常の空間では、どうしても同伴競技者によく見られたい、カッコいいスイングを見せたいという「見栄」が頭をもたげます。

しかし、見栄に負けて放つ1打は、高確率で大怪我を招きます。

次のラウンドでグリーン周りに来たら、脳内のもう一人のキャディと相談し、「ここはパターでいいんじゃない?」という冷静な声に耳を傾けてみてください。

「パターが一番!」と割り切れる強さを持てたとき、あなたのスコアは劇的に、そして確実に良くなるはずです。

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