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選手と一緒に一喜一憂してはいけない!スポーツトレーナーの役割とは!?【廣戸聡一ブレインノート】

Text:廣戸聡一

トレーナーの役割

●目標を立てて「今」を見据える
選手をサポートし、ケアするトレーナーの立場から言うと、選手を管理する上でもっとも大切なのは「選手にとって今必要なもの、このあと必要なもの、そしてその先にある短期・中期・長期の目標を設定すること」、さらにそれが選手にしっかりと伝わっていることです。ひと昔前までは、「これをやっておいて」で済んでいましたが、今は「これが何の役に立つのか」をしっかり把握しなければならないのです。

ただ、目標はゴールが決まらないことには立てられないため、計画を立てるには目的が必要です。来週の記録会で自己ベストを出す、3カ月後の大会ではそれを上回る記録を出す、という目的ができると、自己ベストを出すには何が大切か? さらに、記録を上回るためには? それを常に出すためには?と、やるべきことがどんどん広がっていきます。選手に寄り添い共に考えるのです。

●充実感を味わうことは絶対にない
私は立場上、コーチやトレーナーになりますから、栄養士やほかのトレーナーと連携しながら、「目的を達成するために、こういうケアをしてほしい」「こういうものを食べさせて身体の回復を進めてほしい」「昼寝の時間を少しとってほしい」などと、指示を出していきます。選手を支えるスタッフは、それぞれが主張しすぎず、作戦を統一させていかなければなりません。

このとき、一番大切なのは「選手が満たされているか」ということです。ケアし、サポートする側が充実感を味わうことは絶対にないと思っていなければなりません。また、選手と一緒に一喜一憂してはいけない、というのも鉄則です。私たちは、常に選手の先にいる存在なので、褒めることはしますが、諸手を挙げて喜んでも仕方がないこと。むしろ、優勝が決まった瞬間に「次はどうしようか?」と考えているものなのです。

【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一

「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!

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