人間関係の正解は「つなぐ」ではなく「引く」こと。 心のバウンダリーで自分を取り戻す方法【しんどい人間関係に境界線をつくる 心地いいバウンダリー】

しんどい人間関係を変える「バウンダリー」とは?
「関係」という考え方があなたを苦しめている
「親との関係に悩んでいる」
「職場の人間関係がうまくいかない」
僕のもとには、そんな悩みを抱えたクライアントさんがたくさんやってきます。そうした方々が必ず口にするのが、「関係」という言葉。じつは、この「関係」という考え方こそが悩みの原因なのです。
「関係」はたとえるなら糸。「赤い糸で結ばれた2人」といいますが、自分と相手が「関係」という糸で結ばれていると、この糸を短くするか長くするかしかありません。そして、どうしようもなくしんどくなって、糸=「関係」を切るときには痛みや苦しみが伴います。なぜ苦しいのか?それは、何よりも絆や愛情を尊ぶ日本特有の考えがあるからだと思います。
家庭でも仕事でもどんな相手とも「いい関係」を築こうとして苦しみ、支配関係が生まれたり、ばっさりと関係を遮断することになったりしてしまう。「関係」に縛られるあまり、多くの人がこうした悪循環に陥っているといえます。
【「関係」は人と人をつなぐ糸のようなもの】
「関係」は自分と相手をつなぐ糸のようなもの。

糸を長くしたり……。

短くしたり……。

「関係」の糸を断ち切るときは、お互いに大きな痛みを伴います。

「境界線」でお互いの尊厳や人格を守る
バウンダリーの考えは、まずこの「関係」という概念を変えることにあります。自分と相手を「関係」という糸で結ぶのではなく、自分と相手の間に「境界」という線を引く。つまり、「わたしはわたし、あなたはあなた」という線引きです。
線を引くというと冷たく感じられるかもしれませんが、境界を引くことはお互いの尊厳や人権を守ること。それぞれの考え方や気持ちが違うのは当たり前だと認め、それらを尊重することが大切なのです。
このように、「関係」概念と「境界」概念はまったく別物です。自分らしく楽に生きるためには、まず「関係」という概念から解放されて、「境界」という考え方を身につけることから始めましょう。
「境界」はお互いの尊厳や人権を守るための線
自分と相手を糸で結ぶのではなく、お互いを尊重するために「境界」を引く。それがバウンダリーの基本となる考え方です。「関係」から「境界」へと概念を変えることが、人づきあいの悩みから解放されるための第一歩です。

「境界線」が守るもの
・自分のからだと心
・自分の行動や価値
・自分と他者への誠実さ
・時間
・お金とのよいつきあい方
など

【出典】『しんどい人間関係に境界線をつくる 心地いいバウンダリー』著:長谷川俊雄/イラスト:高木ことみ
【著者紹介】
長谷川 俊雄
白梅学園大学名誉教授、社会福祉士、精神保健福祉士、NPO 法人つながる会代表理事、social work lab MIRAI 代表。
1981年から横浜市役所の社会福祉職として現場で活動したのち、精神科クリニックのソーシャルワーカーに転職。その後、愛知県立大学での教員経験を経て、2009年に「NPO 法人つながる会」を設立。2010年から白梅学園大学に移り、教育・実践・政策提言に携わる。2023年に「social work lab MIRAI」を開設し、援助職支援や家族支援にも取り組む。「バウンダリー」についてのワークショップを各地で行っている。
【イラストレーター紹介】
高木ことみ
ゆるくてかわいいイラストを制作するイラストレーター。とくに、難しい内容を図やイラストを用いてわかりやすく伝えることが得意。見ている人に親しみを感じてもらえるような表現を心がけている。おもな作品に『ゆるゆる稼げるWeb ライティングのお仕事はじめかたBOOK』(技術評論社/表紙・本文イラスト)、『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめるポリヴェーガル理論』(日本文芸社/表紙・本文イラスト)など。
【書誌情報】
『しんどい人間関係に境界線をつくる 心地いいバウンダリー』
著:長谷川俊雄/イラスト:高木ことみ
「バウンダリー」とは、自分と相手の合意のもと「ここからは立ち入らないでね」という境界線を引くことで、「わたし」と「あなた」の安心・安全・尊厳を守る考え方です。
本書はこの境界線を引く考え方から、仕事・家庭・人づきあいの中のしんどい場面で実践できる具体的な対処法まで、あわせて紹介します。
・怒っている相手に委縮してしまう
→「hear」「listen」「ask」3つの「聞く」を使い分ける
・NOと言えない
→即答せず「持ち帰る」だけでもOK
・苦手な目上の人がいる
→相手への「評価」の置き方を変えてみる
・長い会議で人疲れする
→深呼吸や簡単な瞑想で境界線をリセット など
人間関係をもっとラクに、安心・安全にするために、「わたし」と「あなた」のあいだに心地いい境界線をつくるためのアイデアを紹介します。
「仕事や責任を押しつけられて、いつも自分ばかり損をしている」
「人の言動や気持ちに影響されて、振り回されてしまう」
「人を優先しすぎて、自分の時間や人生がすり減っていく」
「つい家族やパートナーに干渉しすぎてしまう」
「人間関係がしんどくなり、リセットを繰り返してしまう──」
こうした人間関係の悩みの根本には、バウンダリー(境界線)の混乱が隠れているかもしれません。
バウンダリーの考え方を取り入れることで、これまでとは違う視点から人間関係の問題を整理し、自分をすり減らさない選択ができるようになります。
■バウンダリーを5つのカテゴリで整理
バウンダリーを
「からだ」「感情・意志」「責任」「時間」「お金」
という5つの領域に分けて紹介。
人間関係の悩みがどの境界線の混乱から生まれているのかが見え、状況を冷静に捉えやすくなります。
■「ライン」と「ベルト」で境界線を使い分ける
境界線を細い「線(ライン)」だけでなく、状況に応じて幅をもたせた「ベルト」として捉える考え方も提案。
相手や場面によって無理なく距離を調整する方法がわかります。
境界線を引けるようになると、
・自分のからだと心を危険や消耗から守れる
・安心・安全で心地よく過ごせる
・誰にも支配されず、自分の感情や考えを大切にできる
・自分の行動や価値を、自分で決められる
ようになります。
しんどい人間関係に悩むあなたへ。
自分も相手も尊重しながら、人と関わるための一冊です。
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