時間は足りているのになぜ?小児科医が明かす「寝ても疲れが抜けない子ども」の共通点【子ども脳疲労】

睡眠時間は取れていても、脳が休めていない子が意外と多い

「寝ている」と「休めている」は別のこと

 子どもは夜きちんと寝ている。睡眠時間もそれなりに確保できている。そう感じている家庭でも、実際には脳が十分に回復できていません。睡眠は、時間さえ取れていればよいというものではないからです

 眠っている時間が十分にあっても、脳が深く休めていない状態が続くと、脳の疲労回復は追いつきにくくなります。朝は起きられるし、学校にも行けている。それでも、日中に集中が続かなかったり、切り替えに時間がかかったりします。こうした様子が重なるとき、睡眠の「量」だけでなく「質」に目を向ける必要が出てきます。

 睡眠の質を下げやすい要因のひとつが、生活リズムの乱れです。就寝時刻や起床時刻が日によって大きくズレていると、脳はバランスの調整に取りかかったことになり、十分に休めなくなります。とくに、平日と休日でリズムが大きく変わると、回復のペースが整いにくくなる傾向があります。

 もうひとつ、見逃されやすいのが家庭の空気です。家のなかに緊張感や慌ただしさが漂っていると、子どもは無意識のうちに気を張ったまま過ごします。その状態で布団に入っても、脳がすぐに休息モードに切り替わらないことがあるのです

 すると、「寝ているのに疲れが抜けない」という状態が起こりやすくなります。朝から元気が出にくく、一日を通してエネルギー不足となり、その結果、学校から帰ってくるころにはすでにぐったりとしてしまうのです。

 生活リズムや家の空気によって、同じ睡眠時間でも脳の回復の仕方は大きく変わります。とはいえ、子ども自身が「眠れていない」と自覚することは、あまりありません。子どもの脳を回復させるうえで、どれくらい寝たかという時間だけでなく、脳が安心して休める環境が整っているかどうかも大切なポイントです。

【出典】『子ども脳疲労』著:成田奈緒子

【著者紹介】
成田奈緒子(なりた・なおこ)
小児科医・医学博士・脳科学者。発達脳科学を専門とし、子どもの睡眠や生活リズムと脳の発達の関係を長年研究。医療現場で多くの親子と向き合うなかで、子どもの不調の背景には睡眠不足や過干渉など家庭環境の影響が大きいことに着目する。脳の発達段階に即した子育てのあり方を提唱し、講演・執筆活動を通じて広く発信。親子支援事業・子育て科学アクシスを主宰し、保護者向け講座や教育支援にも力を注いでいる。著書に『誤解だらけの子育て』(扶桑社)、『子育てを変えれば脳が変わる こうすれば脳は健康に発達する』(PHP 研究所)、共著に『その「一言」が子どもの脳をダメにする』(SB クリエイティブ)などがある。

【書誌情報】
『子ども脳疲労』
著:成田奈緒子


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「子どもはいつでも元気」はもう通用しない!?
不機嫌・だらだら・集中切れは、「子ども脳疲労」が原因だった!

「うちの子、集中力がないのでは?」「すぐにシャットダウンしてしまうのは体力不足?」
そんな悩みを抱える親御さんは少なくありません。

しかし、その原因は性格でも、やる気の問題でもありません。
実は――子どもの「脳の疲れ」が関係している可能性があります。

かつては「子どもはいつでも元気」という考え方が一般的でした。
けれど現代の子どもたちは、情報量の増加、忙しいスケジュールによる睡眠不足、親の過干渉など、
目に見えない負荷を日常的に受けています。
元気そうに見えても、脳が十分に休めていない――
それが「子ども脳疲労」という状態です。

本書では、子どもの脳と発達を長年研究してきた専門家が、
「なぜ今の子どもは疲れやすいのか」
「脳が疲れると、行動や感情に何が起こるのか」 を、わかりやすく解説します。

さらに、家庭でできる環境の整え方や、
子どもが本来持っている回復力を引き出すための関わり方を紹介。
無理にがんばらせるのではなく、脳を休ませることで、子どもは自分から動き出す――
そのためのヒントが詰まった一冊です。

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