「やる」と返事はするのに動かない…子どもが宿題を前に“ぼんやり”してしまうのは脳の疲れが原因だった!?【子ども脳疲労】

「やる」といっているのに なかなか動かない理由

行動の切り替えにはエネルギーを使う

 脳に余力があるとき、子どもは自然に次の行動へと移れます。何をするかを考え、順番を決め、区切りをつけながら動く。この一連の流れは、特別に意識しなくても進んでいくものです。

 ところが、脳に疲れがたまってくると、この流れが途中で止まりやすくなります。やるべきことはわかっているのに、宿題に手をつけずに机の前でぼんやりしていたり、ランドセルを開けたまま動かなくなったりする。声をかけると「うん」と返事はするのに、そのまま何もはじまらない。そんな場面が増えていきます。

 この状態は、「何をすべきかわからない」というよりも、「考え続けられない」状態に近いといえます。次に何をするかを頭のなかで組み立てようとしても、途中で負荷がかかり、そこで止まってしまいます。最初の一歩が出ないまま、ただ時間だけが過ぎていくのです。

 親御さんから見ると、「わかっているなら、やればいいのに」と感じるかもしれません。しかし、脳が疲れているときには、「わかっていること」と「動けること」の間に大きな距離が生まれます。能力や意欲があっても、そこまでたどり着く余力が残っていない状態です

 とくに難しいのは、切り替えの場面です。ゲームを終えて宿題をはじめるとき、テレビを消してお風呂に向かうときなど、今していることを終えて次に移るときには、思っている以上にエネルギーが必要になります。余力が少ない状態では、その負荷に耐えきれず、脳はこれ以上無理をしないようにブレーキをかけます。その状態で外から強く促されると、かえって負荷が増えてしまいます。「やる気がない」「ダラけている」と思ったときは、子ども脳疲労を疑うタイミングです。

【出典】『子ども脳疲労』著:成田奈緒子

【著者紹介】
成田奈緒子(なりた・なおこ)
小児科医・医学博士・脳科学者。発達脳科学を専門とし、子どもの睡眠や生活リズムと脳の発達の関係を長年研究。医療現場で多くの親子と向き合うなかで、子どもの不調の背景には睡眠不足や過干渉など家庭環境の影響が大きいことに着目する。脳の発達段階に即した子育てのあり方を提唱し、講演・執筆活動を通じて広く発信。親子支援事業・子育て科学アクシスを主宰し、保護者向け講座や教育支援にも力を注いでいる。著書に『誤解だらけの子育て』(扶桑社)、『子育てを変えれば脳が変わる こうすれば脳は健康に発達する』(PHP 研究所)、共著に『その「一言」が子どもの脳をダメにする』(SB クリエイティブ)などがある。

【書誌情報】
『子ども脳疲労』
著:成田奈緒子


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「子どもはいつでも元気」はもう通用しない!?
不機嫌・だらだら・集中切れは、「子ども脳疲労」が原因だった!

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