物語の軸を生む主人公の「目的と障害」をつくる!まず理解しておくべき創作の王道パターン【賞を勝ち獲る小説の書き方】

書く前にやっておきたい編集目線の下準備

物語を書きはじめる前に、用意しておきたいことがあります。「どの賞を狙うか?」「その賞の読者は?」執筆に入る前に、スケジュールまで設計していくことが大切です。


主人公の「目的」と「障害」をひとことでいえるか

主人公が“何を求め、何に阻まれているのか”。この一文を定義できた瞬間、物語の軸が生まれます。行動の必然性も展開の強度も、ここで決まります。

要点

  • 主人公の目的と障害が物語を動かす軸になる
  • 一文化できる設定は読者に伝わりやすい
  • 「障害の克服=目的の達成」は王道の流れ

【編集者】“欲求”と“阻害要因”をひとつの線で結ぶ

 世界観が魅力的人でも、主人公が「何を求め、何に阻まれているのか」が見えなければ、行動は散発的になり、読者は感情移入できません。主人公の目的と障害は物語を動かす軸でもあるため、ここが曖昧なまま書きはじめると、物語は簡単に迷走してしまいます。

 目的とは、主人公が心の奥で強く求めている欲求であり、障害とはそれを妨げる存在です。目的をしっかり定義したうえで、障害を段階的に重ねるほど葛藤は深まり、展開の必然性も高まります。

 「失踪した妹を探したいが、街は外出禁止令下にある」「真実を伝えたいが、それをいえば大切な人を失う」といったように、目的と障害を一文で言い切れる物語は、衝突点が鮮明で展開の方向性がはっきりしています。ここが曖昧だと、物語の進行が伝わりにくくなってしまいます。主人公の目的と障害を結んだ一文の強度は、読者を導く鍵です。

【作家】使い勝手がいいのは強力ライバルの出現

 小説をはじめ、映画などの物語を三幕で構成する場合、基本的な設定ルールが存在します。そこには目的と障害が大きく関係し、ストーリーにおいて二律背反する軸として作用します。

 まず一幕。序盤で主人公の目的を明確に定義しましょう。なぜ求めるのかという状況説明も必須。ここを手堅く描いて主人公の行動に説得力を持たせます。続く二幕は障害の出番。使い勝手がいいのは強力ライバルの出現です。そして二幕での障害は単体ではNG。次々と至難極まる障害を主人公にぶつけましょう。ピンチになるほど読者は感情を激しく揺さぶられ、エンタメ性が高まります。

 そしてクライマックスの三幕では窮地を脱して大どんでん返しを迎えます。「障害の克服=目的の達成」は、胸スカの結末として読者が期待する王道の流れです。創作の基本として王道パターンの展開をよく理解しておきましょう。

二幕での障害は最低でも3回用意すべき

【出典】『プロの編集者&小説家が教える クリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』著:秀島迅/監修:Nola編集部/イラスト:真崎なこ

【著者紹介】
秀島迅
青山学院大学経済学部卒。2015年、応募総数日本一の電撃小説大賞(KADOKAWA)から選出され、『さよなら、君のいない海』で単行本デビュー。小説家として文芸誌に執筆活動をしながら、芸能人や著名人のインタビュー、著述書、自伝などの執筆も行なっている。近著に長編青春小説『その一秒先を信じて シロの篇/アカの篇』二作同時発売(講談社)、語彙力図鑑シリーズなど著書多数。また、コピーライターや映像作家としての顔も持ち、企業CM制作を現在も月10本以上手がけている。

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【書誌情報】
『プロの編集者&小説家が教える クリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』
著:秀島迅/監修:Nola編集部/イラスト:真崎なこ


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