唯一無二の馬券師・弥永明郎『伝授』第31回 距離適性について伝授

 競走馬の中には距離を変えるだけで、ガラッと成績が変わる馬がいる。今回は距離適性について俺の考えを伝授したい。

短距離馬に求められる適性

 短距離馬はスピードが最大の武器になる。今年の高松宮記念でママコチャが出遅れたけど、隣の馬のゲートがうるさくて影響を受けてのもの。重賞レベルで走る馬は人為的なものがない限り間違いなくスタートは出る。というか、スタートを五分に出られる馬じゃなければ短距離馬としてはダメで、上のクラスには行けない。

2023年のスプリンターズSを制したママコチャ

デビューしたての馬はパドックで体型を見てこれは短距離馬だなとか長距離馬だなとか俺の中で仕分けしちゃうけど、なかにはダートの中距離だと思っていたら、芝の短距離で走ったというケースもあるから体型だけで完璧に見極めることはできない。

 ちなみに短距離向きだなと思った馬はなかなか長いところは走れないけど、長距離向きだなと思った馬は能力があればある程度のレベルのクラスなら、短いところでも勝つことができる。だから、1800mがベストの馬が1400mを走る「距離が短いステージ」については、能力がある馬ならあまり気にすることはない。スタートが上手なら、こなしてくれることがほとんどだ。
 だから、仮に本当はベストが2000mの馬でも、能力があればマイルもこなしてしまう。そうなると、結果が出ているからマイルばかり使っているというケースもたくさんある。
 もし未勝利戦で1800mを圧勝したような馬なら、1200mでも勝つんじゃないか? ただ未勝利なら誤魔化しがきいても、上のクラスに行けば行くほどベストの距離というものが求められる。

長距離馬に求められる適性

 逆に長距離馬に求められるものは、鞍上に素直で無駄なことをしないというのが一番大事。パドックだけでスタミナは見極められないけど、血統面での引き継いだスタミナが適性として出るのかもしれない。

 中距離と長距離との差を考えた時に、どちらもこなせる馬がいるし、ストライクゾーンが狭くて、狭いレンジでしか走れない馬もいる。これは個々の馬を見て、適性を判断するしかない。

近年では稀な長距離適正を持っていたディープボンドは天皇賞(春)で4回も馬券になった

・馬主側が求めているのは、王道の重賞路線だけではない

 GⅠの番組が多くあり、賞金が高いのは中長距離だけど、最初の種付け時から2000mを走る馬を求めていない場合だってある。

 古い話だと、例えばサクラバクシンオーをつける場合は短距離路線で活躍させたいと思っているんだから。そのサクラバクシンオーは明らかに長距離の適性がなかったから、マイルですら負けることもありGⅠ戦線へ参入するまで時間がかかった。だけど1200mでは本物だった。
 最近だったらビッグアーサー産駒なんかは短距離に特化していると言い切れるよな。

2016年の高松宮記念を制したビッグアーサー(父・サクラバクシンオー)

 人間でも100mの短距離走では勝てても、1500mでは勝てないのは求められる筋肉が違うからというよな。馬も短距離馬と長距離馬では筋肉が違う可能性が高いんだと思うよ。

この記事のCategory

求人情報

インフォテキストが入ります