魚の体形&ヒレの形は棲む環境で変わる【眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話】


魚体を見れば生息場所がわかる
魚の体は長い進化の過程で、それぞれの生活環境に適した形へと変化してきました。魚の体形は大きく4つのパターンに分類できます。
タイやチョウチョウウオなどの「側へん形」は、体が左右に平たい形状です。この体形は方向転換が得意で、サンゴ礁などの複雑な地形を素早く泳ぎ回ることができます。
エイやアンコウなどの「縦へん形」は、上下に平たい体形を持ち、海底に身を隠し、砂地にひそむ生活に適しています。
マグロやサバなどの「ぼうすい形」は流線形の体をしており、体の断面が円に近く後方に向かって細くなります。この形状は水の抵抗を最小限に抑え、長時間の遊泳や高速移動に適しているのです。
ウナギやアナゴなどの「延長形」は、細長い体をヘビのようにくねらせながら岩の隙間や泥の中を自在に動き回ることができます。
また、魚の体にはさまざまな形のヒレがあり、泳ぎ方や生活様式に合わせて形を変えてきました。クロマグロの三日月型の尾ビレは水をかきやすく高速遊泳に適し、トビウオの大きな胸ビレは翼のように空を飛ぶのに役立ちます。
このように魚は棲む環境に合わせて体の形を進化させており、魚体を見ればその生息場所の特性がわかるともいえるでしょう。
魚の体形4タイプ
魚は生息する環境に合った体形に進化してきた。主に以下の4タイプに分けられる。
側へん形
左右に平たい形状。急な方向転換が得意。
例:タイ、ヒラメなど

縦へん形
上下に平たい形状。砂地に隠れるのに適している。
例:エイ、アンコウなど

ぼうすい形
体の断面が円に近く、後方に向かって細くなる。水の抵抗を抑え、長時間の遊泳に適している。
例:マグロ、カツオなど

延長形
細長い体をヘビのようにくねらせながら、岩の間や泥の中を動き回る。
例:ウナギ、アナゴなど

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』監修:さかなのおにいさん かわちゃん
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』
監修:さかなのおにいさん かわちゃん
食べること、飼うこと、水族館などでの鑑賞など、日本人にとって身近な生物の“魚類”。
魚類は生き物にしては珍しく、大きさや形、色、生息地域もさまざまなので、個体ごとの身体的特徴も大きく変化します。
また、食用としての魚と観賞用としての魚、漁業などのビジネスとしての魚では注目するポイントが異なるため、色んな角度から見ることができる面白い生物です。
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