角質を食べるドクターフィッシュは雑食!? 魚の食性は4タイプある【眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話】


実は草食よりも肉食が多い
魚の食べ物にはさまざまありますが、大きく4つのタイプに分けることができます。 それぞれの魚が持つ口や歯の形、消化のしくみは、食べ物に合わせて進化してきました。
サバやイワシ、ジンベエザメなどは、プランクトンなどの小さな食べ物をエラでこし取ることで集めて食べます。海を泳ぎ回りながら、目に見えないほど小さな食べ物を効率よく集める能力を持っているのです。
小魚や水中の虫、エビなどの獲物を追いかけるのは、肉食の魚たちです。スズキやブラックバスなどは大きな口を持ち、獲物を丸飲みして捕まえます。ピラニアのように、鋭い歯と強いあごで獲物を襲う魚もいます。
水草や海藻を主に食べる魚もいます。コイに似ているソウギョは水中や水面の植物を食べるレアな魚で、特別な消化器官を持っています。この器官のおかげで植物をしっかり分解でき、肉食の魚が消化できない水草も栄養にできるのです。
何でも食べる雑食の魚たちもいます。コイやティラピア、ガラ・ルファ(ドクターフィッシュ)などは、植物も動物も両方食べるため、環境の変化にも柔軟に対応できます。これは自然界で生き残るための大きな強みといえるでしょう。
主な魚の食性4タイプ
魚は食べ物の種類によって大きく4つに分かれ、それぞれの食性に適した口や歯の形をしている。
肉食性
例 ピラニア

鋭い歯と強靭なあごの力を持ち、ほかの魚や、河に落ちたひな鳥やネズミなども食べる。
雑食
例 ガラ・ルファ

通称「ドクターフィッシュ」。プランクトンやコケを食べ、幼魚の頃には人間の古い角質も食べる。
ろ過食性
例 ジンベエザメ

プランクトンや小魚、海藻などを海水と一緒に飲み込み、その後に水だけをエラから吐き出す。
草食性
例 アユ

河では、石に生えるコケなどの藻類を食べる。コケをはぎ取るのに適した口を持つ。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』監修:さかなのおにいさん かわちゃん
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』
監修:さかなのおにいさん かわちゃん
食べること、飼うこと、水族館などでの鑑賞など、日本人にとって身近な生物の“魚類”。
魚類は生き物にしては珍しく、大きさや形、色、生息地域もさまざまなので、個体ごとの身体的特徴も大きく変化します。
また、食用としての魚と観賞用としての魚、漁業などのビジネスとしての魚では注目するポイントが異なるため、色んな角度から見ることができる面白い生物です。
「最古の魚は5億年前! 魚類の誕生と進化」「魚は何を食べる?」
「カニみそは脳みそではなく、肝臓や膵臓にあたる部位」
「シーラカンスが絶滅しなかったのは、味が激マズだったから!?」
「クジラ界にも「ヒット曲」があり、世界中の海で流行る」などなど
そんな魚のあらゆる疑問や意外な生態、誰かに教えたくなる雑学が詰まった子どもから大人まで幅広く楽しめる一冊です。