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茂木健一郎が推察する「東大合格者は居間で勉強していた人が多い」理由とは?【脳の話】

Text:茂木健一郎

集中することで前頭葉の集中回路を鍛える

イギリスのチャールズ・スピアマン(1863〜1945年)という心理学者は、人間の多くの能力に共通しているg因子というものがあり、このg因子が高い人はさまざまな分野で学力が高いことを統計的手法によって示しました。つまり、g因子が高い=地頭あたまがいいといえるでしょう。

そして、その後の脳科学の研究によって、g因子の高い人は前頭葉の集中力の回路がよく動くことがわかりました。

では、集中力を鍛えるにはどうしたらいいのでしょうか。私は子どもたちには、「勉強するときにはいきなりトップスピードでやれ」といっています。

慣れないうちは辛いかもしれませんが、続けていくうちに、いきなりトップスピードで勉強できるようになっていきます。こうすることで、前頭葉の集中力の回路が鍛えられていくのです。

さらに、「ノイズがあるところで勉強(仕事)する」という方法もおすすめです。林修先生は「いつやるか?今でしょ!」ですが、私の場合は「どこでやるか?居間でしょ!」です。

居間という、雑音の多い場所で集中して何かをすることによって、前頭葉の記憶の回路の働きが強化されます。

実際に「東大合格者は居間で勉強していた人が多かった」という話をお聞きになった方も多いはずです。

脳科学的に見れば、人間の前頭葉はどんな場所でも、瞬間的に集中できるように設計されていますから、集中すべきときはいつでも集中できるよう脳にクセづけするのです。このような訓練を続けることで、地頭も育つかもしれません。

脳は成長することができる!「脳の話」はこんな人におすすめ!

脳に対する関心が、年々高まっています。いわゆる「脳科学ブーム」から、最近ではさらに人工知能の発達による危機感も脳への興味の増大に結びついています。

このような時代に、人間の脳に求められることは何か日々、どのように暮らして、どんなことを心がければいいのか、子どもの教育はどうあるべきか。そのような問いを、専門家だけでなく一般の方々も自分や周囲に投げかけるようになってきました。

脳

本書は、脳についての興味深いトピック、知っておくべき基本的な知識を図解とともにまとめた一冊です。最初から最後まで読んでいただければ、読む前よりも脳についての理解が深まり、人工知能時代にも負けないで前に進む自信のようなものが生まれてくるかもしれません。

シリーズ累計220万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ

図解シリーズは、右側に文章左側に図解が乗っているので、本が苦手な人にも理解しやすい構造になっています。

図解

図解シリーズには健康・実用だけでなく大人の学びなおしにぴったりな教養のテーマも。ぜひ手に取って確認してみてください!

脳力を最大限に高める方法とは?

どんな小さなことでもいいですから、何かに挑戦すると脳内の神経伝達物質であるドーパミンが分泌されます。ドーパミンは運動調節やホルモン調節のほか、快の感情、意欲、学習などに関わっていて、ドーパミンの分泌によって脳の回路が強化される「強化学習」という現象が起こります。そして、強化学習はドーパミンが分泌される前に行なわれていた行動を強化する働きもするのです。

体幹が弱くなるとバランスを崩しやすくなります。その結果、階段や玄関で足を踏み外す、浴室やフローリングの床など滑りやすい場所で転んで頭を打つなど、慣れ親しんだ自宅で重傷を負ってしまったというケースも少なくありません。

脳の遊び心をくすぐるゲーミフィケーション

「ゲーミフィケーション」を日々の仕事や学習に活用すれば、脳の活性化をはかることも可能です。苦痛と感じがちなことも、遊び心をもってとり組むと、脳の報酬系が刺激されて行動力、集中力が高まる。脳を活性化させるゲーミフィケーションのやりかたを解説します。

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「ひらめき回路」を鍛える方法とは?

ひらめいたり、とびっきり斬新なアイデアを思いついたりするのは、特殊な才能のように思っていませんか?でも、それは違います。ひらめきはどんな人の脳にも、もともと備わっている能力なのです。最近の研究では、脳には「ひらめきの回路」と呼べるものがあるらしいことがわかってきました。

このひらめきの回路は、くり返し使うことで鍛えられるという研究結果も報告されています。残念ながら、ひらめきの内容まではコントロールできないということですが、くり返し使って強化することで、ひらめきの頻度はどんどん上がっていきます。

ひらめき

AI時代の脳の活かしかた

★AIの知性と人間の知性とでは、どう違う?
★AIのIQは人間より高いの?
★人間の脳を人工的につくり出せる?
★これからの時代はどんな能力が求められる?

などなど気になるタイトルが目白押し!

ほかにも「脳が重い人ほど頭が良い?」など脳の基本の豆知識もご紹介!

いかがでしたか?個性といっても、一人ひとりが全く共通点がないわけではありません。人間である以上、どんな人の脳にも当てはまることはあります。

脳科学の役割は、個性を明らかにすることも、もちろんですが、その前にすべての人に当てはまる性質を調べることです。人工知能時代に自分を映す「鏡」として、本書を活用していただけたら幸いです。

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