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人が美しさや香りに魅了される花が、朝/日中/夕と咲く時間帯が違うワケとは?【植物の話】

Text:稲垣栄洋

花は、朝/日中/夕と咲く時間帯が違うワケ

花に思いを重ねることは自由だが、花にとって色や香りは虫や鳥を招いて、受粉を成功させるためのしかけだ。

昆虫は人間の見る目と違い、紫外線の目で花を見ている。そのため蜜のありかがすぐわかり、受粉の成功率が高まるというわけだ。

鳥は人間と同じように色を見ているが、鼻が利かないので、色だけに頼る。

さまざまな花は、朝、日中、夕と咲く時間帯が違うが、昆虫の活動に合わせて香りを出すため。芳香ばかりではなく、たとえば甘い香りを出す花にはミツバチが、悪臭にはハエがやってくる。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 植物の話』
監修:稲垣栄洋  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
植物学者・静岡大学教授。1993年、岡山大学大学院農学研究科(当時)修了。農学博士。専攻は雑草生態学。1993年農林水産省入省。1995年静岡県入庁、農林技術研究所などを経て、2013年より静岡大学大学院教授。研究分野は農業生態学、雑草科学。


大ヒット「眠れなくなるほど面白い」図解シリーズに、【植物学】が登場。
色仕掛け、数学の応用など、生き残りをかけた植物のたくみな戦略を徹底解説。
図とイラストで、ひとめで植物の生態としくみがわかります。
読めば、「ふだん見かけるあの植物に、そんな秘密が!?」と驚くはず。
「花の女王はバラ、では雑草の女王は?」
「なぜ夏の木陰はヒンヤリするのか?」
「昆虫と植物は必ずギブ&テイクの関係なのか?」
「植物は数学を知っている?」
「じつは、植物によって光合成のしかたが違う?」
など身近な疑問から、花粉を運ばせるための昆虫だましテクニック、一歩踏み込んだ光合成のしくみまでわかりやすく紹介します。

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