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何がどうなったら体は老化するのだろう?歳をとるとDNAに変化が生じるって本当!?【図解 老化の話】

Text:長岡功 野村義宏

そもそも体がどうなれば老化するの?

「老化」の原因は、100を超える説が提案されているものの、まだ定まっていないです。ただ、共通した特徴が2つあります。①悪いものが溜まる(蓄積)と②良いものが不足する(欠乏)ことです。①の例としては、遺伝子の元であるDNAに傷(変異)が蓄積したり、異常なタンパク質が蓄積します。DNAは遺伝子そのもので、私たちの人生や運命をつかさどる大切な設計図です。生き物は、傷(変異)が入るとすぐに修理(修復)するシステムを何重にも備えて、傷(変異)が蓄積しないようにしています。DNAに傷が入る環境(放射線や紫外線、たばこなど)に暴露されても少しぐらいは大丈夫な理由です。

異常タンパク質は、普段は設計された形で正しい働きを保持しています。ところが、さまざまな要因で形が変わってしまい(変性)、「つくる」と「こわす」のバランスが崩れて溜まってしまう(下図)。いわばゴミ収集車の働きが落ちて、ゴミが至るところに散乱しているイメージです。

②は、幹細胞の減少、ホルモンや補酵素の不足です。幹細胞は各器官で働く細胞を生み出す大本の細胞ですね。その幹細胞が減少すると新しく細胞を生み出す能力が落ちてしまい、細胞数減少の原因となるわけです。“ホルモン”はさまざまな器官でつくられて分泌されます。血液などの体液を通して体内を循環しつつ働く成分で、生物の正常な状態を支える大切な物質です。ですが女性ホルモンや男性ホルモンは、老化によって減るのですね(下図)。つまり、「良いものが不足する」わけです。

“補酵素”は細胞の中で働き、さまざまな酵素を助ける物質で、ビタミン類や微量金属類があります。補酵素のコエンザイムQが老化で減ることも知られています。こうした物質の不足は、補充することで補えるため、「細胞補充」や「ホルモン補充療法」などが試みられていますが、正しく不足を補うことがむずかしく、まだまだ発展途上の段階です。ただし、ビタミン類や微量金属は食品から摂取できるので、不足分の補充は比較的簡単です。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 老化の話』監/長岡功 野村義宏

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 老化の話』
長岡 功 総監修/ 野村 義宏 監修

高齢化や平均寿命が伸びた社会では、「老化」は誰もが避けられない、しかし誰もが可能な限り抗いたいテーマ。その多くは人体の「老化現象」、またそれに伴う「諸症状」として、完全には克服できないまでも、原因やしくみを知ってうまく対応すれば、症状を「やわらげる」ことや、日常生活での「影響を少なくする」こと、また「目立たなくする」ことが可能である。本書では具体的に、老化にともなう病気・諸症状の原因に言及し、その対処・対策法を解説、紹介する。中高年以降の健康と美容の悩みを楽しく読めて、一気に解決する一冊です。

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