なぜ上空でエンジンが止まっても再始動できるのか?時速300キロで起きる“押しかけ”の罠【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】

始動スイッチは2つある? ジェットエンジン始動の仕組みとは

エンジン・スタート(その1)

燃料を入れるまでの手順

ほとんどのジェット旅客機では、エンジンをスタートさせるスイッチは2つあります。スターターを作動させるスタート・スイッチ、エンジンに燃料を送る燃料コントロール・スイッチ(「エンジン・マスター・スイッチ」と呼ぶ飛行機もある)の2つです。燃料コントロール・スイッチは、エンジン・スタート時に使用されるだけでなく、フライトを終えた時や、エンジンに不具合が発生しエンジンを直ちに停止しなければならない時、燃料をエンジンに送るのを遮断し、エンジンを停止させる時にも使用します。

飛行中でも、エンジン・スタートは可能です。地上で少しでも風が吹いていれば、自然と回転するくらいなので、時速300キロメートル程度の速度があれば、スターターの助けなしにスタート
できます。自動車のエンジンを“押しかけ”スタートするようなものです。

具体的な操作としては、まずスタート・スイッチを「START」位置にします。圧縮空気をスターターに送るスタート・バルブと呼ばれている弁が開いて、スターターが回り始めます。

ギアを介して接続している高圧圧縮機が回転し始め、それにつられてファンと低圧圧縮機も回転を開始。空気取り入れ口から、自然と空気が吸い込まれ始めます。

次に燃料コントロール・スイッチを「RUN(運転)」位置にすると、燃料の元栓は開きますが、直ちに燃料が燃焼室に入るわけではありません。十分な圧縮空気がないと、異常燃焼が起きてしまうため、燃焼させてもよい圧縮空気が得られる回転速度に達するまで、燃焼室手前の燃料高圧弁は閉じたままです。

エンジン・スタートのしくみ

エンジン・スタートのしくみ
エンジン・スタートのしくみ

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』著:中村 寛治

 

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