都会の夜空でもくっきり見える1等星は21個しかない!?【眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話】


1等星は全天で21個しかない
夜空にまたたく星たちにも、よく見ると明るいものと暗いものがあります。古代ギリシャの天文学者ヒッパルコスは、肉眼で見えるもっとも明るい星を1等星、ぎりぎり見える暗い星を6等星として、星の明るさを6段階に分けました。
星の明るさの単位を「等級」といいますが、等級にはいくつか種類があります。地球から特定の波長で観測したときの見かけ上の明るさを示す「見かけの等級」、人間の肉眼で見た明るさを表す「実視等級」、地球と星との距離を同じ(約32.6光年)とした場合の明るさを比べた「絶対等級」など。「1等星」などの「等星」は、このうちの実視等級で表されます。
たとえば実視等級が0.5以上1.5未満の星が1等星、1.5以上2.5未満の星が2等星です。等級が1.0変わるごとに明るさは2.5倍変わり、1等星と6等星では明るさの差はおよそ100倍になります。
ちなみに、1等星より明るい0等星やマイナス1等星も存在しますが、一般的にはこれらも含めて1等星と呼んでいます。
現在、肉眼で見える6等星以上の星は全天で約8600個あるとされています。ただし市街地では3等星ぐらいまで、郊外では4等星ぐらいまでといったように、環境によって観測できる星の数は変化します。
1等星一覧(明るさ順)

肉眼で見える6等星以上の星は約8600個。1等星は全天に21個あり、そのうち北半球で見えるのは15個。沖縄では、南半球で見られる1等星も観測できる。また、沖縄本島以南では21個すべて見える。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』監修:渡部 潤一
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』
監修:渡部 潤一
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