地球から肉眼で見える一番遠い星は?【眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話】


約250万光年の彼方にある銀河
夜空を見上げて同じような明るさに見えても、地球からの距離は個々にまったく異なるのが星たちの世界です。肉眼で確認できる星々のなかで、もっとも遠くにある天体の1つが、SF 作品などで知られる「アンドロメダ銀河」。「M31」とも呼ばれますが、これは18世紀フランスの天文学者シャルル・メシエの頭文字Mと、彼が作成した星雲・星団のリスト、「メシエ・カタログ」の通し番号に由来します。
アンドロメダ銀河は、私たちの太陽系を含む「天の川銀河」の外側、地球から約250万光年の距離にあります。その大きさは、天の川銀河の直径約10万光年に対し、およそ倍である約20万光年。恒星の数は、天の川銀河の約2000億個に対し、アンドロメダ銀河は1兆個ともいわれます。イメージしにくいですが、光の速さで250万年かかる場所にあるものが肉眼で見えるのですから、相当なスケールだとわかります。
銀河は、膨大な数の恒星やガス、チリなどの巨大な集団ですが、形状によっていくつかの種類があります。アンドロメダ銀河はそのうちの「渦巻銀河」。中心を囲むように円盤(ディスク)状の渦巻きを持つのが特徴ですが、双眼鏡や望遠鏡を使ってもぼんやりとした姿しか捉えることができません。
アンドロメダ銀河の特徴
大きさ:直径約20万光年
恒星:恒星(太陽などの自ら光を発する星)の数は1兆個ほど
地球からの距離:地球のある天の川銀河の隣にあるが、地球とは約250万光年離れている
形状:中心を取りまくように円盤(ディスク)状に渦を巻いている
未来予想:アンドロメダ銀河と天の川銀河は接近を続けていて、約40億年後に衝突して巨
大な銀河を形成すると予想されている

アンドロメダ銀河の見つけ方
秋の夜、20時ごろに南の空を見上げると、大きな四辺形が見つかる。ペガスス座に属する3つの星とアンドロメダ座のアルフェラッツから成る「秋の四辺形」だ。これを頼りにアンドロメダ座を見つけたら、その腰のあたりにあるのがアンドロメダ銀河。

双眼鏡を使わず、肉眼でも条件がよければ見ることができる。ただし、はっきりとした渦巻きを見たい場合は天体写真を撮る必要がある。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』監修:渡部 潤一
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』
監修:渡部 潤一
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