都会育ちはメタボになりがち?カラスのグルメな食生活とは【眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話】

何でも食べますが、栄養バランスは考えてます

実際のところ、カラス自身が栄養について考えているわけではありません。街中でゴミ漁りをし
ているといっても、それ以外に果実や昆虫を食べていますから、結果としてあまり栄養は偏らない、
といったところでしょう。

そんなに高カロリー・高脂肪のものばかり食べていると、人間ならメタボが気になるところです。ですが、今のところカラスがメタボで困っているとか、寿命が短いという研究はありません。ゴミがたくさんあるように見えても食べにくる個体数も多いですし、前に書いたようにカラスの中の順位もあるので、すべてのカラスが十分にエサを食べているわけではないはずです。エサが足りなくて飢え死にする恐れのほうが、よっぽど大きいでしょう。

ただ、都市部の鳥は自然状態の鳥に比べて血中の中性脂肪などが多い、という研究結果はあります。やはり、食べ物に影響される部分はあるのでしょう。ですが、この研究では「そのせいで健康に影響があるほどではないだろう」としています。もっとも「理由はわからないが都市部のほうが鳥の寿命が短い」という研究もあり、その論文ではストレスや事故が多いせいではないかと推測されています。

ちょっと怖い話ですが、野外で魚を捕まえたり、動物の死骸を見つけたりすると、カラスが真っ先に食べるのは内臓です。ビタミンやミネラルが豊富なので、栄養の点でも優れています。

おいしいものが好きだけど、ストライクゾーンは広め

カラスは果実が熟すまで待っているので、味覚を持っています。ただ、「おいしいものは好きだが、嫌いなものはない」くらいの、ストライクゾーンの広い味覚のように思えます。野生の果実はそんなに甘くはないのですが、渋くても苦くても平気です。味覚は、有毒な虫や植物を食べないため、栄養価の高いエサを選んで食べるためですが、ペンギンは味を感じる細胞が退化しており、甘味も旨味も感じられません。わかるのは塩味と苦味だけです。また、鳥はトウガラシの辛味成分(カプサイシン)が平気なようで、インコのエサにするくらいです。カラスはカプサイシンが苦手という観察もありますが、まるで平気という話もあり、よくわかっていません。

同じ鳥類でもペンギンは旨味を感じない

味覚は、有毒な虫や植物を食べないため、栄養価の高いエサを選んで食べるためですが、ペンギンは味を感じる細胞が退化しており、甘味も旨味も感じられません。わかるのは塩味と苦味だけです。

カラスQ&A

カラスはカラスを食べる?

死骸をエサとして扱うことも
カラスは仲間の死骸を見ると大騒ぎしますが、カラスの死骸を食べていたという報告もあります。カラスの認識がどこで切り替わるのかはわかりませんが、場合によっては、同種の死骸であってもエサ扱いするようです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』著:松原 始

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』
著:松原 始


【Amazonで購入する】

「カラスはなぜ怖いのか?」がわかる本!
黒い羽を虹色に輝かせ、時に人を威嚇し、悠然と街を歩く。
不吉なシンボルとされる一方、賢さで知られる彼らの生態や魅力を面白く伝える1冊です。
「カラスはほんとは怖くない!?」
「読めばよむほど、好きになる!?」

この記事のCategory

インフォテキストが入ります