「水辺の宝石 カワセミ」は指輪の代わりに”魚”で求婚する!?【眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話】

カワセミは捕った魚をメスに渡してプロポーズする
愛を運ぶ青い鳥
鮮やかな青い羽が目を引く「カワセミ」は、川や池の近くにすむ小さな鳥です。その美しい姿から「水辺の宝石」とも呼ばれています。
春になると、カワセミのオスは少し変わった方法でメスに気持ちを伝えます。それは「求愛給餌」と呼ばれる行動です。オスがメスにエサをプレゼントすることで自分の存在をアピールし、ペアになることを目指すのです。小魚をメスの前に差し出し、メスが受け取るとカップル成立となります。
カワセミは、ザリガニや昆虫なども食べますが、メスへのプレゼントには小魚が選ばれることが多いのだとか。オスは、できるだけ元気で大ぶりな魚を選び、くちばしの先できちんと相手に渡せるように運びます。差し出すときにも、魚の頭を相手に向けることで、相手がエサを飲み込みやすいように計算しているのです。カップルが成立すると、ペアで巣づくりを始め繁殖期へと入ります。
もし、川辺で魚をくわえたカワセミがじっと止まっているのを見かけたら、それは誰かに思いを伝えようとしているところかもしれません。春の水辺を散策すると、思いがけないドラマに出会える可能性があります。
このような求愛給餌は、アジサシという海鳥や、一部のカラス類などにも見られます。
カワセミの求愛給餌
オスは元気で大きな魚を選び、魚の頭を相手に向けて差し出すことで相手がエサを飲み込みやすいようにします。カップルが成立すると巣づくりが始まります。

カワセミは何を食べる?
エビ/昆虫/ザリガニ/小魚

エビ、ザリガニなどの甲殻類、昆虫やオタマジャクシなどを幅広くエサにしますが、求愛給餌に使われやすいのはフナやモツゴといった小魚です。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話』監修:小宮輝之
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話』
監修:小宮輝之
飼うこと、食べること、動物園・水族館・花鳥園などでの鑑賞、身近にいる野鳥など、寿命が長い上、インコやオウムなどは話したり、歌ったりとコミュニケーションもとれることから、日本には愛鳥家も多く鳥関連のイベントも定期的に開催されており、動物類のなかでもコアファンが多い生き物です。
鳥類は恐竜時代から大量絶滅を唯一生き延びた動物のため、歴史も古く、進化の過程で飛ぶ・飛ばないをはじめ、大きさや形、色、生息地域も異なり、外見も内面も個性豊か。
社交性も高い上、カラスやオウムなどは知能も高く、行動学の観点でも面白い特徴が多く見られます。
「約1万種類いる鳥類の半分はスズメの仲間」
「鳥の祖先は、結局恐竜なの?」
「鳥に歯はない。くちばしは骨?角質?」
「カラスは家族のためなら、友情は簡単に裏切る」
「スグロミツドリは“右半身がオスで左半身がメス”」
「カメは万年、ツルは千年 ツルの本当の寿命は30年」
「おしどり夫婦の由来であるオシドリは普通に浮気する」
「ダチョウは家族が入れ替わっても気付かない」
「ハゲワシがハゲているのは、ちゃんとした理由がある」などなど
そんな鳥たちの意外な生態や知られざる雑学が詰まった子どもから大人まで幅広く楽しめる一冊です。
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