立ち歩き、よそ見、おしゃべり……授業に集中できない1年生を「座るカード」でサポートする方法【発達が気になる小学生のおうちサポート帖】

入学してからの「困りごと」とおうちサポート【授業中の立ち歩き・授業に集中できない】

困りごと【座っているだけで〇?】

 小学校の授業は、だいたいの学校が1コマ45分間。1年生のうちは、4時間授業か5時間授業というところがほとんどではないでしょうか。学年があがるごとに6時間授業が増えていきます。その間、ずっと集中していられる子は少ないかもしれません。1年生の授業風景を見ると、先生の話を一生懸命聞いている子もいますが、文房具をいじっていたり、よそ見をしていたり、おしゃべりをしていたりなどさまざまな姿があります。なかには立ち歩く、クラスメイトに何度も話しかける、教室から出ていく、椅子をガタガタゆらし続ける……なんて姿も見られるかもしれません。

考えられる背景【気になることがあって集中できない?】

 授業中に立ち歩いてしまうのは、教室内の掲示物や友だちなどまわりに気になるものがある、授業中は座っているほうがよいという意識が弱い、まわりに注目してほしくて話す・動く、じっとしていられない、何をしたらいいのかがわからないなど子どもによってそれぞれの理由があるかもしれません。

 座って、授業を聞いて、黒板をノートに書き写して……複数のことを同時に行う授業はおとなが思っている以上に労力、気力を消費するものです

イラスト:こやまもえ

サポートポイント【おうちで「座るカード 」で練習】

 座っていられない、じっとしていられず動いてしまう場合は、まわりの音や動きなどの刺激が気になり、立ち歩いてしまっている可能性があります。なかには今は「座っているほうがいい時間」という認識が弱いということもあるかもしれません。

 一定の時間、座って何かに取り組む練習を、家庭でもしてみましょう。「座るカード」を使って座る練習をします。椅子に座っている子どものイラストに「すわる」という文字を書いたカードを用意します。このカードが机の上においてある間は、座るというルールを伝えます。たとえば、食事やおやつの時間に座るカードを机の上におきます。座るという意識と態を持続できるようにおとなはサポートしましょう。座ってできているときには「座っているの、いいね!」と声をかけてできていることをフィードバックします。

 声かけだけでは意識が続きにくい場合は、紙にマスをいくつか書いて、座っていたら1マスずつマルを書き、できていることを伝えます。視覚的にできていることがわかるので、子どもも意識が持続しやすくなります。

 バツにするのが目的ではありません。立とうとしたら、怒ったり注意するのではなく、体に触れて座らせて、「座っているの、いいね!」とさり気なく、座ることを促していきましょう。家庭で有効な手段となったら、学校で使えるか先生と相談してみてください。

イラスト:こやまもえ

【出典】『発達が気になる小学生のおうちサポート帖』監修:湯汲英史

【監修者情報】
湯汲英史
公認心理師・精神保健福祉士・言語聴覚士。早稲田大学第一文学部心理学専攻卒。現在、公益社団法人発達協会常務理事、練馬区保育園巡回指導員などを務める。
著書に『0歳〜6歳子どもの発達とレジリエンス保育の本―子どもの「立ち直る力」を育てる』(Gakken)、『子どもが伸びる関わりことば26―発達が気になる子へのことばかけ』(鈴木出版)、『ことばの力を伸ばす考え方・教え方―話す前から一・二語文まで―』(明石書店)、監修書に『心と行動がよくわかる図解発達障害の話』(日本文芸社)など多数。

【イラストレーター】
本田佳世、こやまもえ

【書誌情報】
『発達が気になる小学生のおうちサポート帖』
監修:湯汲英史、イラスト:本田佳世/こやまもえ


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発達に障がいを抱える子どもや青年と40年以上かかわり、
小学生前後から成人後までひとりの人と向き合う、
公認心理師・湯汲英史先生だからこその視点で紹介します。

「テキパキ通学路を歩かない」
→手をつながず、大人のカバンを触って一緒に歩き、速さや人との距離感を覚える

「着替えに時間がかかる」
→おうちでは「フラフープの中」や「ジョイントマットの上」だけで着替えるルールにして、着替え中に歩きまわらない・気を散らさない習慣を身につける

「当番や係ができない」
→おうちでもくつを並べる、机をふく、洗濯物を外すなどの当番制を導入

「授業中に立ち歩く」
→おうちでは「座るカード」を作成し、このカードが机にある間は座っているゲームを取り入れる

「忘れもの、なくしものが多い」
→ランドセルのふたの裏に「持ち帰るものリスト」を貼る、おうちに「連絡帳・プリント置き場の箱」をつくる

「自分の気持ちを伝えられない」
→おうちでは「気持ちのことばリスト」を指でさすところから

「人の話を聞かない」
→おうちで、ぬいぐるみをもっている人が話すゲームをしてみる。話終わったらぬいるぐるみを相手に渡してだまるなど

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