16世紀の闇「魔女裁判」。女性と共に火あぶりにされた猫たちのあまりに過酷な受難【猫柄図鑑】

ヨーロッパでの幸せな日々

 その後、ローマ帝国の軍事遠征や領土拡大などによって、猫はヨーロッパへ広がり、1000年前頃にはヨーロッパのほぼ全土に伝わったと考えられています。

 11世紀頃、ヨーロッパでは十字軍の遠征によって流入したクマネズミが街中を徘徊していました。現在の日本の家屋でもよく見られる、中型のネズミです。そんな状況ですから、ヨーロッパの人々はネズミを退治する猫を称え、大聖堂や教会に猫の彫刻を置くほど大切に扱いました。

 しかし、ヨーロッパにおける人と猫の良好な関係は、キリスト教の勢力が広がると、あっけなく終わりを迎えてしまいます。

魔女の手先と決めつけられて……

 当時のキリスト教にとって、異教徒と彼らが大事にしていた猫は、勢力を拡大してゆくうえで邪魔な存在だったのかもしれません。猫はしだいに迫害の対象となっていきました。落としてもケガをしない、夜に瞳が光る、新約聖書に猫は登場しない……。こうした言い分に加え、猫のミステリアスな雰囲気も、人々の憎悪を加速させたのでしょう。

 16世紀になると悪名高い魔女裁判が始まり、猫は魔女の化身あるいは手先とされ、魔女の疑いをかけられた女性とともに火あぶりにされました。こうした猫の受難の日々は、何と18世紀まで続いたのです。

中世ヨーロッパの魔女

「ベルボアの魔女」と呼ばれた女性たちと、そのペットや下僕。3人の女性は有罪判決を受け、火刑に処されたそうです。

【出典】『猫柄図鑑』監修:山根明弘

【書誌情報】
『猫柄図鑑』
監修:山根明弘


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