まずは親が冷静に話を聞くのが正解?子どもがあやまれない理由を問い詰める前にすべきこと【発達が気になる小学生のおうちサポート帖】

先生と友だちと「対人関係の悩みごと」とおうちサポート

「ごめんなさい」がいえない

困りごと【あやまるって大変なこと?】

 あやまるということは、相手に悪いことをしたと思い自分のあやまちを認めて、「ごめんなさい」 ということだと思います。 この「ごめんなさい」 がなかなかいえない子がいます。子どもにとっては、大変なことなのかもしれません。

 トラブルが起きたときに、子どもがあやまらないと、おとなは「あやまりなさい!」と強くいいがちですが、まずは子ども本人の気持ちを聞きたいところです。自分が悪いと思っていないのに、あやまるようにいわれても「なんで?」の気持ちのほうが強く、余計にあやまることができないということもあります。あやまれないのには、いろいろ理由がありそうです。

考えられる背景【あやまれない理由を探る】

あやまれない理由はおとなには理解しにくいこともあるかもしれません。

・状況がわかっていない
・わざとではないからあやまらなくていいと思っている
・悪いことをしたと思っていない、思っていてもあやまれない
・「あやまる=負けること」ととらえている

など子ども本人がどう思っているのか、そのときの状況や経緯を居合わせた人からも聞いて探っていきましょう。

イラスト:こやまもえ

サポートポイント【文字であやまるのもあり】

 無理やり言葉であやまらせても、子ども本人が認めていなければ、意味がありません。無理やりやらされたという記憶だけが残ったり、いわれたからあやまっただけという経験になってしまいます。

 悪いことをしたと気がついてもどうしてもあやまれない場合は、「ごめんなさい」をいうことにフォーカスしないようにしましょう。あやまる、あやまらないで押し問答をするより、文字で「ごめんなさい」と書いてもよし。「ごめんなさい」と書いた紙を相手に渡せたらOKとします 。文字で書いただけでも、前進です。

 大切なのは、同じことをくり返さないということです。あやまる状況がなぜ起きたのかを探り、同じことが起こらない方法をおとなと一緒に考えて実践し、次につなげていきましょう。

サポートポイント【「ごめん 」はいっていい言葉】

 「あやまる = 負け、失敗、わるいこと」と認識している子どももいます。あやまるということは自分が負けた、失敗したということを認めることになるのであやまれない、となっているように感じます。「ごめん」 はいってもいい言葉であることを伝えます。たとえば、キャッチボール中にボールがとれな かった ら「 ごめん」、話しかけるときに「テレビを見ているときにごめん、いま話していい?」など。いえたときは「『ごめん』っていってくれてうれしいよ」と認めてあげましょう。

【ここでひとこと!ADVICE】

おとなもいったん落ち着こう

 我が子があやまらないといけないことをしたら、相手に悪いという思いからとにかく子どもに「あやまって」といってしまうかも。そのようなときは、ちょっと深呼吸。感情的に叱ると子どもは否定され た、信じてくれなかったと思ってしまいます。おとなは冷静に、まずは我が子の話を聞いてあげましょう。

【出典】『発達が気になる小学生のおうちサポート帖』監修:湯汲英史

【監修者情報】
湯汲英史
公認心理師・精神保健福祉士・言語聴覚士。早稲田大学第一文学部心理学専攻卒。現在、公益社団法人発達協会常務理事、練馬区保育園巡回指導員などを務める。
著書に『0歳〜6歳子どもの発達とレジリエンス保育の本―子どもの「立ち直る力」を育てる』(Gakken)、『子どもが伸びる関わりことば26―発達が気になる子へのことばかけ』(鈴木出版)、『ことばの力を伸ばす考え方・教え方―話す前から一・二語文まで―』(明石書店)、監修書に『心と行動がよくわかる図解発達障害の話』(日本文芸社)など多数。

【イラストレーター】
本田佳世、こやまもえ

【書誌情報】
『発達が気になる小学生のおうちサポート帖』
監修:湯汲英史、イラスト:本田佳世/こやまもえ


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