親の「くみ取り過ぎ」が自立を妨げる?子どもが自分の気持ちを伝えるためのおうちサポート方法を紹介【発達が気になる小学生のおうちサポート帖】

先生と友だちと「対人関係の悩みごと」とおうちサポート

自分の気持ちを伝えられない

困りごと【自分の気持ちを伝えるのは難しい……】

 自分が感じていることを言葉や文章にして相手にわかりやすく正確に伝えるのは、おとなでもうまくいかないことがあるのではないでしょうか。

 子ども同士や小学校の先生との間で、自分の気持ちをうまく伝えられないと困ることもあるでしょう。

 家族には話せるのに、家族以外の相手や人前だと不安や緊張が高まり、話せないこともあるかもしれません。またおとなが子どもの気持ちをくみ取り過ぎてしまうと、子どもは自分の気持ちを伝える必要がなくなってしまいます。子ども自身が自分の気持ちを言葉にして伝える経験が必要でしょう。

考えられる背景【なんていえばよいのかわからない】

 自分の気持ちが自分でもわからない、あるいは自分の気持ちを、どう表現すればよいのかわからないのかもしれません。

 自分が思っていることは、相手も同じように思っていると認識している場合もあります。人の気持ちや思い、考えなどは、言葉にすることで、初めて相手に伝わるという場合もあります。「違う・異なる」を知ると「同じ」というのが一層うれしくなったりもします。

 また、いつ、誰にいえばよいのかわからず伝えられないということもあるかも。

イラスト:こやまもえ

サポートポイント【気持ちの表現を知る】

 自分の気持ちがわからない場合は、まずはどんな気持ちがあるのかを知ってもらうために「気持ちのリスト」をつくるのもよいでしょう。それぞれの気持ちのイラストを添えると、わかりやすくなります。このリストを選択肢として、自分がどんな様子なのかを指さしてもらいます。たとえばプリントが破れてしまったとき、リストを渡して「いま、どんな気持ち?」と聞いて、子どもにどの気持ちが近いものなのかを指さしてもらったり、その気持ちの言葉を話してもらいます。自分の気持ちをどう伝えたらよいかわからない、自分の気持ちを他者に伝えた経験が少なく言い出しにくいという場合にも役立つでしょう。

 日常の中で経験したことを、どんな気持ちだったか親子で話してみましょう。子ども「お昼のハンバーグ大きかったね」→おとな「大きくてびっくりしたよ。〇〇くんは?」→子ども「うれしかった」など何気ない会話で十分です

【出典】『発達が気になる小学生のおうちサポート帖』監修:湯汲英史

【監修者情報】
湯汲英史
公認心理師・精神保健福祉士・言語聴覚士。早稲田大学第一文学部心理学専攻卒。現在、公益社団法人発達協会常務理事、練馬区保育園巡回指導員などを務める。
著書に『0歳〜6歳子どもの発達とレジリエンス保育の本―子どもの「立ち直る力」を育てる』(Gakken)、『子どもが伸びる関わりことば26―発達が気になる子へのことばかけ』(鈴木出版)、『ことばの力を伸ばす考え方・教え方―話す前から一・二語文まで―』(明石書店)、監修書に『心と行動がよくわかる図解発達障害の話』(日本文芸社)など多数。

【イラストレーター】
本田佳世、こやまもえ

【書誌情報】
『発達が気になる小学生のおうちサポート帖』
監修:湯汲英史、イラスト:本田佳世/こやまもえ


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「当番や係ができない」
→おうちでもくつを並べる、机をふく、洗濯物を外すなどの当番制を導入

「授業中に立ち歩く」
→おうちでは「座るカード」を作成し、このカードが机にある間は座っているゲームを取り入れる

「忘れもの、なくしものが多い」
→ランドセルのふたの裏に「持ち帰るものリスト」を貼る、おうちに「連絡帳・プリント置き場の箱」をつくる

「自分の気持ちを伝えられない」
→おうちでは「気持ちのことばリスト」を指でさすところから

「人の話を聞かない」
→おうちで、ぬいぐるみをもっている人が話すゲームをしてみる。話終わったらぬいるぐるみを相手に渡してだまるなど

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