「今は何もしない」が実は一番のサポート!子の脳疲労を減らすために親がすべきこと【子ども脳疲労】

親の「よかれと思って」が、子ども脳疲労をためてしまう

子どもは親の期待に敏感

 子どもの様子が気になると、親は自然と「何かしてあげなくちゃ」と考えます。声をかける、先回りで準備してあげる、励ます、常に近くにいる。どれも子どもを思っての行動であり、その気持ち自体が間違っているわけではありません。

 ただ、こうした関わりが重なっていくと、子どもはいつも「応える側」に立たされてしまいます。声をかけられれば反応し、期待を向けられれば応えようとする状態で、それが一日中続くと、脳は力を抜くきっかけを失いやすくなり、子どもの疲労感はたまっていきます。

 親が一生懸命になるほど、家庭は言葉や動きで埋まりがちです。「そろそろやったらし?」「大丈夫?」「次はこれをしようか」。ひとつひとつは何気ない声かけでも、積み重なると子どもの注意は常に外へ向きます。気を抜く余地がなくなり、疲れが残りやすい状態になるのです。

 とくに、子どもが疲れているように見えると、親の心配は強まります。元気がない、集中が続かない、不機嫌な時間が増えた。そんな様子に気づくと、何とか立て直したくなり、関わりが増えていくものです。ただ、そのタイミングでの働きかけが、かえって子どもの負担になります。

 子どもは、親の期待や気配を敏感に受け取ります。応えようとする気持ちが強いほど、内側では力を使い続けることになります。外からは大きな変化が見えなくても、脳のなかでは消耗が進んでいるのです。

 さらに、親の頑張りは家庭の空気としても伝わります。どこか忙しそうな様子や、常に先を考えて気を張っている感じは、言葉にせずとも子どもに届きます。家が「休む場所」ではなく「対応する場所」になると、脳は休めなくなってしまいます。

「今は何もしない」が実は一番のサポート

 「何かしてあげなくちゃ」という思いが強いときほど、「今は何もしないほうがいい場面かも」と視点を変えてみてください。声をかけない、促さない。その選択が、結果として子どもの脳を休ませることにつながります。

 関わりを減らすと、最初は不安になるかもしれません。それでも、余白が生まれることで、子どもが自分のペースを取り戻せることもあるのです。応え続けなくていい時間が増えると、疲れは自然と抜けていきます。

 親が「子どものために」と一生懸命になるのは、とても自然なことです。その頑張りは決して悪いものではありません。ただ、重なりすぎると負担になる可能性があると知っておくだけで、選択肢が広がります。

 頑張りすぎず、適度に子ども自身にゆだねてみることで、親も子どもも休まる時間が確保できます。何もいわない時間が案外一番のサポートになるのです。

関わりすぎると休めない

よかれと思って声かけを重ねてしまうと、子どもはその声かけに応え続ける状態になります。何もいわない時間があることで、脳はようやく力を抜くことができます。

【出典】『子ども脳疲労』著:成田奈緒子

【著者紹介】
成田奈緒子(なりた・なおこ)
小児科医・医学博士・脳科学者。発達脳科学を専門とし、子どもの睡眠や生活リズムと脳の発達の関係を長年研究。医療現場で多くの親子と向き合うなかで、子どもの不調の背景には睡眠不足や過干渉など家庭環境の影響が大きいことに着目する。脳の発達段階に即した子育てのあり方を提唱し、講演・執筆活動を通じて広く発信。親子支援事業・子育て科学アクシスを主宰し、保護者向け講座や教育支援にも力を注いでいる。著書に『誤解だらけの子育て』(扶桑社)、『子育てを変えれば脳が変わる こうすれば脳は健康に発達する』(PHP 研究所)、共著に『その「一言」が子どもの脳をダメにする』(SB クリエイティブ)などがある。

【書誌情報】
『子ども脳疲労』
著:成田奈緒子


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