「練習場ではプロ並み」だったのになぜ? ゴルフの日に限って大叩きする人が陥る“危険なうぬぼれ”の罠

「今日の練習場はドライバーもアイアンも完璧! 今日こそベストスコア間違いなしだ!」

そう確信して意気揚々とコースに飛び出したものの、蓋を開けてみればハーフで大叩き、終わってみれば100オーバー……。

そんな痛い経験はありませんか?

実は、ゴルフにおいて「朝の絶好調」ほど危険なものはありません。

ロングセラーゴルフ漫画『ゴルフは気持ち』(いけうち誠一著)の第16話「うぬぼれは禁物」では、アマチュアゴルファーが誰しも陥るこの「うぬぼれ」と「自信」の恐ろしい罠を、克明な心理描写とともに描き出しています。

なぜ、調子が良い日ほどスコアが崩れるのか?そして、どうすればその罠を回避できるのか?

マンガのストーリーを紐解きながら、スコアアップのためのメンタル術を解説します。


■ 練習場での「まっすぐ15発」が引き起こした悲劇

マンガの主人公であるカンちゃん(ハンデ18)は、ある9月のラウンド(ロイヤルCC)を振り返ります。 スタート前、彼の自信は絶頂に達していました。

  • 練習場ではドライバーを15発打って、全部まっすぐ飛んだ!
  • アイアンもダフリやトップはごくわずか!
  • パットの練習もバッチリ、距離はきっちり合っていた!

「実力は明らかに上がっている。今日は絶対に80台だ!」と、プロになったような気分で意気揚々とティーグラウンドに立ったカンちゃん。

ところが、実際にスタートしてみると、思いもしなかったミスの連続に見舞われます。1番ホールでトリプルボギー、続く2番ホールでもダブルボギー。

ここで注目すべきは、カンちゃんの心境の変化です。 

「自信があるから焦る。『こんなはずがない!こんなバカな!』と気持ちが荒れる」 そして、取り返そうと強引にピンを攻めた結果、状況はさらに悪化し、最終スコアは「102」の大叩きに終わってしまいました。


■ 「自信」と「うぬぼれ」は似て非なるもの

本作の冒頭には、非常に深い言葉が綴られています。

「成長を一番邪魔するのは、うぬぼれだという。また成長させるのもうぬぼれだという。うぬぼれと自信、似て非なるもの。我々の場合の自信は、ほとんどがうぬぼれだね」

練習場で少しショットが良いと、私たちはそれを「自分の実力(=自信)」だと勘違いしてしまいます。

しかし、それは一時的な「調子の良さ」に過ぎず、コース上でのあらゆるトラブルに対処できる本物の技術ではありません。

ゴルフにおける危険な「うぬぼれ」には、以下の特徴があります。

  1. 期待値が高すぎる:「ミスをするはずがない」という前提でプレーするため、最初のミスで心が折れやすくなる。
  2. マネジメントが雑になる:実力以上のショット(ピンデッドに狙う、いつも以上に飛ばそうとするなど)を求め、傷口を広げる。
  3. 現実を受け入れられない:「今日は調子が良いはずだ」と過去の執着にとらわれ、目の前の状況に集中できなくなる。

なぜ調子が良いと「1ホール12打」まで大崩れするのか?

カンちゃんのもう一つのエピソード(4月の宇田CC)でも、このうぬぼれの罠が分かりやすく描かれています。

その日、絶好調だったカンちゃんは、途中で「今日はハーフ42・43は固い!」と確信していました。 しかし、9番の谷越えホール。普段通り打てばいいものを、「今日の調子なら、後ろのやつらが驚くようなショットを打って、さらに飛ばしてやろう!」と欲を出して強振した結果、あえなくOB。

動揺したカンちゃんは「ほんのちょっとしたミスだ。次は目の覚めるような当たりを……」とさらに力んで打ち直し、なんと連続OB。このホールだけで「12打」を叩き、その後は完全にガタ崩れしてしまいました。

「好調さが招いたミス」によって有頂天になり、気持ちの動揺をコントロールできなくなる。 これこそが、アマチュアゴルファーが1ホールで大崩れする最大の要因なのです。


明日からのゴルフで使える「脱・うぬぼれ」メンタル対策

ゴルフで大叩きを避けるためには、朝の調子がどうであれ、以下のマインドセットを持つことが重要です。

  • 「自分はヘタである」と想定してプレーする:ミスが出ることを前提に、安全なハザード回避ルートを計算する。
  • ナイスショットの快感を引きずらない:たままつうまくピンに寄った時の快感を「実力」と思い込まない。
  • 「一寸先は闇」の意識を持つ:ゴルフは何が起こるか分からないゲーム。一喜一憂せず、一歩一歩進む。

朝、練習場で「完璧だ!」と思ったときこそ、深く深呼吸をして「うぬぼれは禁物」と心の中で唱えてみてください。

それだけで、あなたのスコアは劇的に安定するはずです。

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【書誌情報】
『ゴルフは気持ち(1)』
著:いけうち 誠一

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