カフェや学校が冒頭シーンは落選する!?応募作に圧倒的に多い落選パターンの共通点【クリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方】

\編集者の目に留まる物語創作のセオリー/

面白い物語の創作には、構成力が不可欠です。どこに山場を作るかという感情の設計から、読者が惹きつけられる冒頭の設計、すべてを設計していくのが構成です。


物語の冒頭で作品の価値が決まる

冒頭は、物語の巧拙を判断する前に「読む価値があるか」を決める場所です。編集者は、ここで“この物語が何を描こうとしているのか”を必ず確認します。

要点

  • 冒頭は“方向性”が示される場所
  • 導入が弱いと内容以前に離脱される
  • 必須なのは主人公の“状況説明”と“目的設定”

導入が弱いと読者の読む意欲が削がれる

 物語の冒頭で意識してほしいのは「この物語は何の話なのか」を早い段階で伝えることです。主人公は誰で、どんな状況に置かれ、何に向かって動き出す物語なのか。冒頭は、その“方向性”が示されているべき場所なのです。

 導入が弱いと、内容に入る前に読者の読む意欲が削がれてしまいます。逆に、冒頭で物語の約束が提示されていれば、設定の厚みや複雑さに関係なく、読者は多少の説明や描写にも耐え、先を読み進めようとします。世界観を暗示する1行、目的を示す行動といった小さな提示で十分です。読者が“この先に何があるのか”を予感できれば、それが強い導線になります。

 編集者にとって冒頭は、作品の印象を決定づけるポイントです。読者と物語が最初に信頼関係を結び、ここで交わされた約束が、終盤まで誠実に守られているかどうかも含めて評価されるのです。

応募作で圧倒的に多い冒頭の落選パターンとは?

 新人賞の選考で必ず落される三大冒頭シーンをご存知ですか?

 これはまことしやかに囁かれる、“なろう系”都市伝説のひとつですが、デビュー前は目からウロコで参考にしたものです。

(1)学校や家庭でのなごやかなシーン
(2)カフェやファストフード店での飲食シーン
(3)電車・車などでの移動シーン

 落とされる理由は単純明快。ありきたりで「この物語は何の話なのか」という作品の印象づけや示唆が欠落しているからです。しかし応募作の中で圧倒的に占める割合が多いのも事実です。

 物語の冒頭で絶対に押さえるべきは2つ。主人公の置かれている状況説明と目的設定です。「読む価値があるか?」という編集者の厳しい査定をこの2項目で必ずクリアしなければなりません。

「読む価値があるか?」はこの冒頭の2項目で決まる! 

主人公の状況説明

  • 時代、時間、季節はいつ?
  • どこにいる?
  • 何をしている?

主人公の目的設定

  • どこに向かっている?
  • 何をしたい?
  • どうなりたい?

 【出典】『プロの編集者&小説家が教える クリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』著:秀島迅/監修:Nola編集部/イラスト:真崎なこ

【著者紹介】
秀島迅
青山学院大学経済学部卒。2015年、応募総数日本一の電撃小説大賞(KADOKAWA)から選出され、『さよなら、君のいない海』で単行本デビュー。小説家として文芸誌に執筆活動をしながら、芸能人や著名人のインタビュー、著述書、自伝などの執筆も行なっている。近著に長編青春小説『その一秒先を信じて シロの篇/アカの篇』二作同時発売(講談社)、語彙力図鑑シリーズなど著書多数。また、コピーライターや映像作家としての顔も持ち、企業CM制作を現在も月10本以上手がけている。

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【書誌情報】
『プロの編集者&小説家が教える クリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』
著:秀島迅/監修:Nola編集部/イラスト:真崎なこ


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