140キロ台の高速チェンジアップで三振の山を築いた!スティーブ ン・ストラスバーグ

がつプロ変化球大事典〜高速チェンジアップ編〜
変化の仕方から握り、歴史、使い手で全て教えます!
知っているようで知らない、奥深き変化球の世界を「がっつり!」掘り下げる。久しぶりの連載再開で取り上げるのは、日米球界を席巻する“現代の魔球”、高速チェンジアップだ!
『高速チェンジアップ』の歴史と現在地
『重要なのは緩急よりも変化球と悟られないこと』
チェンジアップの高速化は直球のそれと比例する。特にトラックマンやスタットキャストといったハイテク機器が導入され、投手の力学、運動学がよりフィーチャーされたここ10年程度で、日米ともに投手の球速は飛躍的に向上している。それと同時に重要視されたのが、「ピッチトンネル」という考え方だ。ピッチトンネルとはホームベースから7・2メートルの空間にあると仮想される投手が投げるボールの軌道上に存在する円、もしくは筒のことを指す。この7・2メートルという数字は、打者が投手の投げる球種を判断できるギリギリのタイミングと言われる。つまり、複数の球種を同じピッチトンネルに通すことができれば、打者は球種を判別できなくなる。この考え方が、例えばツーシームやカットボールを代表する「速い変化球」の根幹にある。打者のスイングスピードが向上した現代は、例えば直球とカーブのように「大きな緩急と変化量の差」だけで打者を打ち取るのは困難になってきている。

球速が遅すぎると打者には簡単に「変化球だ」と判断されてしまう。そのため、直球の球速そのものが向上した今、チェンジアップも同じように高速化する必要が出てきた。2010年にメジャーデビューを果たし、昨季まで6年連続2ケタ勝利を挙げているストラスバーグは、150キロ台中盤の速球と、約10キロ遅い140キロ台中盤のチェンジアップを軸に三振の山を築いた。以前は投球の緩急というと「球速差が大きいほど効果的」という考え方が主流だったが、今は違う。球速差だけでなく、「いかに変化球だと察知されないか」が重要であり、それが高速チェンジアップの隆盛を生んでいる。日本でも近年、メジャーの影響でチェンジアップの高速化を図る投手が増えてきており、少しずつではあるが「高速チェンジアップ」の使い手も現われはじめている。
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