叱るよりも「ありがとう」を。当番や係ができない子をサポートする「当番ごっこ」の方法とは?【発達が気になる小学生のおうちサポート帖】

入学してからの「困りごと」とおうちサポート【当番や係をやることができない】

困りごと【交代制で回ってくる当番

 小学校には、いろいろな当番や係があります。当番では決められたことをきちんとやるという責任感、係は自分たちでよりよくするために自主的に考えるということを学ばせる目的のもと導入されています。当番は、交代制でどの子にも回ってきます。係は、自分たちのやりたいものを話し合って決めていきます。

 当番や係の仕事を忘れてしまったり、途中で放り出してしまったりしては、周囲から注意を受けることも。また本人にとっても「できなかった」という失敗体験になってしまうこともあるかもしれません。

考えられる背景【興味がない、やりがいを感じない】

 興味のあるものだと気持ちが向きやすく張りきって係の仕事ができる子もいます。興味の有無で意欲や遂行に差が出る場合は、興味のある係・適材適所の係を繕って選択肢を絞ってもらうのもよいかもしれません。活躍の場、まわりから一目置かれる機会にもなりえます

 役割をこなすことにやりがいを感じない場合もあります。人との関係性のなかでの育ちが未熟なことも考えられます。また、自分が当番や係だと気がつかず、できないこともあるかもしれません。

イラスト:こやまもえ

サポートポイント【おうちで「 当番ごっこ」をやろう】

 家庭でも給食当番の練習をしてみましょう。給食のようにトレイを使い、それぞれの食器に自分でよそい、食卓まで運びます。食べ終わったら台所までもっていく下膳の練習もしましょう。その際に、こぼしてしまっても怒らないこと。こぼしたものは雑巾やティッシュで拭いて、こぼした分はよそい直すなどの対処法を教えます。「こぼしても大丈夫」とうまくいかなかったときにどう対応すればいいのかを教えましょう。

 また、お手伝いの当番をやってみましょう。靴を並べる、机を拭く、洗濯ものをはずす、ごみを捨てるなど。与えられた役割を実行する経験を積むことが目的です。当番ができたときには、家族から感謝の気持ちを伝えましょう。家族のためになった、喜ばれたという経験が、人の役に立ちたいという気持ちにつながっていきます。

【出典】『発達が気になる小学生のおうちサポート帖』監修:湯汲英史

【監修者情報】
湯汲英史
公認心理師・精神保健福祉士・言語聴覚士。早稲田大学第一文学部心理学専攻卒。現在、公益社団法人発達協会常務理事、練馬区保育園巡回指導員などを務める。
著書に『0歳〜6歳子どもの発達とレジリエンス保育の本―子どもの「立ち直る力」を育てる』(Gakken)、『子どもが伸びる関わりことば26―発達が気になる子へのことばかけ』(鈴木出版)、『ことばの力を伸ばす考え方・教え方―話す前から一・二語文まで―』(明石書店)、監修書に『心と行動がよくわかる図解発達障害の話』(日本文芸社)など多数。

【イラストレーター】
本田佳世、こやまもえ

【書誌情報】
『発達が気になる小学生のおうちサポート帖』
監修:湯汲英史、イラスト:本田佳世/こやまもえ


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おうちでできるちょっとした工夫や練習で、子ども自身は変えずに、子どもの行動や習慣を変え、
親子で「こうしたらうまくいくかも」をつかんでいくことを目指します。

発達に障がいを抱える子どもや青年と40年以上かかわり、
小学生前後から成人後までひとりの人と向き合う、
公認心理師・湯汲英史先生だからこその視点で紹介します。

「テキパキ通学路を歩かない」
→手をつながず、大人のカバンを触って一緒に歩き、速さや人との距離感を覚える

「着替えに時間がかかる」
→おうちでは「フラフープの中」や「ジョイントマットの上」だけで着替えるルールにして、着替え中に歩きまわらない・気を散らさない習慣を身につける

「当番や係ができない」
→おうちでもくつを並べる、机をふく、洗濯物を外すなどの当番制を導入

「授業中に立ち歩く」
→おうちでは「座るカード」を作成し、このカードが机にある間は座っているゲームを取り入れる

「忘れもの、なくしものが多い」
→ランドセルのふたの裏に「持ち帰るものリスト」を貼る、おうちに「連絡帳・プリント置き場の箱」をつくる

「自分の気持ちを伝えられない」
→おうちでは「気持ちのことばリスト」を指でさすところから

「人の話を聞かない」
→おうちで、ぬいぐるみをもっている人が話すゲームをしてみる。話終わったらぬいるぐるみを相手に渡してだまるなど

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