「お金を返して」ではない?結婚詐欺の逮捕時に女性が放った言葉にみる依存心理

料理を通じて人間の業や本質を鋭く描く名作劇画『ザ・シェフ』。

第12話「イミテーション②」では、結婚詐欺に引っかかってしまった一人の女性が描かれています。

彼女が詐欺師逮捕の瞬間に放った“ある一言”が、恋愛に依存する女性の心理をあまりにもリアルに突いていると話題です。

愛した男の正体は、結婚詐欺の常習犯だった

主人公の純朴な女性・民子は、「真悟」という男性との結婚を夢見て、彼のために大金を注ぎ込んでいました。

しかし、彼らが開いた豪華なパーティーの最中、突如として警察が踏み込んできます。

実は真悟の正体は、結婚詐欺の常習犯。

民子は全財産を騙し取られる寸前(あるいはすでに使い果たしている状態)だったのです。

「どうしてもう少し夢を見させてくれなかったのよッ…!!」

愛する彼氏が手錠をかけられる衝撃的な場面。

周囲の人間が「結婚詐欺よ」「こんな所で捕り物かよ」と騒然とする中、民子は泣き崩れながらこう叫びます。

「どうして どうしてもう少し夢を見させてくれなかったのよッ——!!」

このセリフこそが、このエピソードの最も恐ろしく、そして悲しいハイライトです。

「騙されて悔しい」「お金を返して」ではなく、「夢から覚ましたくなかった」という叫び。

彼女は心のどこかで、彼に違和感を抱いていたのかもしれません。

それでも、愛される幸せな“偽物の時間(イミテーション)”にすがりつきたかった……

そんな悲痛な女性の心理が、この一コマに凝縮されています。

偽物の愛から目を覚まさせる、天才シェフの荒療治

このパーティーで、あえて高級食材の「コピー食品」を出し、詐欺師の底の浅さを暴き出したのが天才シェフ・味沢匠でした。

彼は、民子がしがみついていた“偽物の夢”を料理という形で可視化し、打ち砕いたのです。

全てを失い絶望する民子に対し、最後に味沢がかけた「本当に信じられる物は簡単には手放すもんじゃない」という厳しいけれど温かい言葉。

恋愛に依存してしまいがちな人にこそ読んでほしい、胸に刺さるエピソードです。

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<第1話:幻の料理人①>を読むにはこちらから
https://love-spo.com/article/the-chef_001

『ザ・シェフ』次回へ続く!

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【書籍情報】
『ザ・シェフ』
原作:剣名舞
劇画:加藤唯史

法外な報酬を要求するが、依頼人の希望に応じて料理を作り上げる天才シェフ・味沢匠(あじさわ・たくみ)の活躍を描いた料理劇画。石油産出国であるパミール王国でその全権を握る大臣は、外務省関係者がもてなす帝都ホテルの晩餐をほとんど食べ残して帰る。そこで「幻の料理人」と呼ばれる天才シェフ・味沢匠が、大臣を満足させる晩餐を作るように依頼されるが、味沢はその報酬として500万円を提示して……!?

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