体が大きい動物ほど寿命が長い
心臓が1日に何回動いているのかは、1分間の脈拍を数えることで知ることができます。成人では1分間に約70回動いているので、単純に計算しても1日で約10万回、1年では約3650万回、人生80年で計算すると、心臓は一生で30億回近くも動くことになります。
多くの動物は一生に打つ脈拍の数が同じといわれ、1分間の脈拍の数は体の大きな動物ほど少なく、小さな動物ほど多くなります。たとえば、ゾウの脈拍数は1分間に約25回で寿命は約60年。ハツカネズミの脈拍数は1分間に約550回で寿命は約3年です。このため、体の大きい動物ほど寿命が長いといわれていますが、ヒトなどの例外もあります。
心臓は自発的に動ける唯一の臓器
心臓は血液を肺と全身に循環させるポンプの役目を果たしています。大人の心臓は1分間に約5~6リットル、1日で約7000リットル以上の血液を体中に送り出しています。安静時に送り出す血液量は、1回の拍動(はくどう)で約70~80ミリリットル。激しい運動をしたときは回数が増え、1分間に200回以上、約25リットルの血液を送っていることになります。また、脈拍は、怖い思いをしたり、緊張したときにも増えます。心臓がドキドキするのは、自律神経が心臓のリズムを刺激するからです。
心臓は神経を通さずに自発的に動ける臓器です。理由は、心筋の各細胞に規則正しく脈拍する性質が備わっているため。こうした性質が働くので、心臓は体から取り出されてもしばらくのあいだ動きます。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』
著:坂井建雄 日本文芸社刊
執筆者プロフィール
順天堂大学保健医療学部特任教授、日本医史学会理事長。1953年、大阪府生まれ。1978 年、東京大学医学部卒業後、ドイツのハイデルベルグ大学に留学。帰国後、東京大学医学部助教授、順天堂大学医学部教授を歴任。医学博士。専門は解剖学、細胞生物学、医学史。専門書だけでなく一般向け書籍まで、著書、監修書を多数刊行。近著書は、『医学全史』(ちくま新書)、『図説医学の歴史』(医学書院)など。
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公開日:2021.12.17