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抜け出せなくなる?!かむ力、飲み込む力が落ちると陥る悪循環とは?【70歳からおいしく栄養がとれる食事のくふう】

Text:特定非営利活動法人 京都栄養士ネット

抜け出せなくなる?!かむ力、飲み込む力が落ちると陥る悪循環【70歳からおいしく栄養がとれる食事のくふう】

低栄養になると筋力が低下し、かむ・飲み込むにも支障が出ます

低栄養になると、まず体の筋肉が落ちてきます。食べる量が減ると、体の組織を作るたんぱく質が十分にとれなくなるからです。たんぱく質が不足すると筋肉を作ったり維持したりすることができなくなります。筋肉というとムキムキの体を想像してしまいますが、どんなにやせているかたでも体を動かすためには筋肉の力が必要です。食事の場面でいえば、箸を持つ、茶わんを持つ動作はもちろんのこと、食べ物を口に入れたあとのかむ動作、飲み込む動作にも口やのどのまわりの筋肉を使っています。筋力が減ったり、筋肉の量が少なくなってくると、「かむ」「飲み込む」という行為も今までのようにはいかなくなってしまいます。かめない、飲み込めないということは、口から栄養をとり入れることができなくなることにつながります。本人にとっても、なかなかかめない、飲み込めないということが続けば、食べるのもおっくうになってしまいますね。そもそも、筋力が落ちると食事を用意すること自体がおっくうになりがちです。そして、さらに食べる量が減っていくというわけです。

抜け出せなくなる?!かむ力、飲み込む力が落ちると陥る悪循環とは?【70歳からおいしく栄養がとれる食事のくふう】

食べる量が減ることによる筋力低下などの悪循環に陥らないように

食べる量が減ったことでたんぱく質が不足すると、筋力が減り、活動量が減り、食欲もわかないという悪循環から抜け出すことができなくなります。私たちはまずご自身で今の自分の健康と栄養状態に気づいてもらいたいと思っています。もしこの悪循環に入りそうな兆候があれば、低栄養にならないための食事内容と食べかたを知り、なるべく早く対策をとることが、健康を保つために大切と考えています。

【出典】『70歳からおいしく栄養がとれる食事のくふう』
監修:特定非営利活動法人 京都栄養士ネット  日本文芸社刊

監修者プロフィール
訪問栄養食事指導で地域の皆様の健康と栄養をサポートする管理栄養士のグループ。メンバーは京都府栄養士会の会員。2018年9月に認定栄養ケアステーションの認定を受け、京都府全域で訪問栄養指導を中心とした活動を行っている。2021年10月より機能強化型栄養ケアステーションに移行認定。在宅で療養されている方を訪問して、その方にあった食事の作り方やどの程度栄養量が摂れているか何を補えばよいかなどを、その方の嗜好や生活環境を大事にしながら、一人ひとりその人にあった形で提案し、実践してもらえる支援を目指し、多職種と連携し活動している。


70歳を過ぎ、「食が細くなった」「料理も面倒」「元気が出ない」と感じている方は、もしかしたら「低栄養」が原因かも?日々の食事は、健康な体をつくります。シニアになると体の変化に合わせて、必要な栄養もとりかたも変わってきます。この本では、訪問栄養指導の栄養士チームが「手軽」に「おいしく食べて」、「健康寿命をのばす」とっておきの食事のくふうを紹介します。品数が豊富じゃなくても、量が食べられなくても、料理が苦手でも、身近なものから栄養がとるコツがあります。・いつもの食事にちょい足しするだけ!手軽にたんぱく質が補える○○!・30品目用意しなくても、お皿は3つでいい・「食べ順」で栄養の取り逃しを防ぐ・やめられない菓子パンを○○に置き換えてみたら栄養がアップ!・全部手作りじゃなくていい!スーパーやコンビニで手に入るお助け食材ベテラン栄養士が現場で得た知見から生まれた、すぐに使える超実用的な栄養本です。1人暮らしでも、ご夫婦でも、親御さんの食事や栄養状態が気になるかたにも役立つ知識が満載です。3年先、5年先、10年先の健康な身体をつくる「栄養」がとれる食事をはじめましょう!

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