不安ぐせを無くすには「選択肢のある状態」を保つこと!自分で心地よくすごすことを決める重要性【今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論】


「自己調整力」と「乗り越える力」をつける
3つの自律神経それぞれの重要性を理解したら、次のステップは「自己調整力」を身につけること。これが、本書におけるゴールとなります。自己調整とは、自律神経に「予測性」と「選択性」がある状態を指しています(書籍33ページ参照)。
自己調整力の土台になるのは予測性と選択性という2つの武器
どんなに緊張しても、どんなに不安になっても、悪い時間は続かない。やがてリラックスの時間がやってくることを、自分は知っている。それが予測性です。神経基盤がある程度育っていれば、緊張・不安が高まったとき、自然に穏やかなプレーキが働いてリラックスすることが可能になります。
選択性というのは、誰かとつながって落ち着くか、ひとりでリラックスするかという選択肢がある状態です。
たとえば職場や学校でランチに誘われたときに、「今日は誰かとおしゃべりしなが楽しくすごしたいな」と思うこともあれば、「今日はひとりでまったりしたい気分」と思うこともあるでしょう。何となく流されて決めるのではなく、自分が心地よくすごせるほうを選べる。これが選択肢のある状態ということです。
危険が迫ったときに戦うか逃げるかを選び、命に関わる危険なら凍りつく、これも意識的無意識両方の選択によるサバイバルといえます。
私たちに自己調整力が備われば、安心・安全を手に入れて、穏やかにそしてエネルギッシュにすごせるようになります。
自己調整力のある生活とは
自己調整力のある生活はとても快適です。ネガティブに感じていたことも、次のようにポジティブなものへと変化していきます。
① 疲労しすぎない
休日に無理に動こうとせず、エネルギーを使いきる前に休めるようになる。残っているエネルギーを緊張や興奮に使わずにすむようになる。
② 恐怖に圧倒されない
たとえば遊園地などでスリリングなアトラクションに乗ったとき、恐怖に圧倒されずに、自律神経の活性化を「怖いけど楽しい」と感じられる。恐怖は感じながらも、終わったあとの爽快感を味わえる。
③ 孤独を楽しめる
自律神経に選択性があることで、ひとりの時間と、誰かといる時間の両方を楽しめるようになる。「ひとりは寂しいけれど、誰かと交流するのはしんどい」というときにも、カフェやレストランなどにひとりで行き、人の気配を感じながら座っているだけでも気がまぎれて大丈夫と感じられるなど、孤独の中にもバリエーションが生まれる。
④不安からの解放
将来への漠然とした不安や過去への後悔恥の気持ちなどから解放され、心配することが少なくなる。
【出典】『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』著:浅井 咲子
【書誌情報】
『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』
著:浅井 咲子
3つの自律神経を味方につけて〈不安ぐせ〉を〈安心ぐせ〉に変える!
「次から次へと心配ごとがでてくる」
「ニュースやSNSで不安になりがち」
「イライラする」「ストレスに弱い」
「気持ちの浮き沈みがはげしい」「やる気が起きない」
などの〈不安ぐせ〉を抱える人へ。
ポリヴェーガル理論は、ステファン・ポージェス博士によって提唱された自律神経系の神経理論です。
自律神経を、1つの交感神経と2つの副交感神経(背側迷走神経と腹側迷走神経)の3つで捉えます。
本書では「セオリー」「テクニック」「ワーク」に分けてわかりやすく紹介します。
本当は必要ではないのに過剰に防衛したり、考えても仕方がないことにイラっとしたり、不安になったり。
そうしたもったいない時間を減らして、「今ここ」にある幸せを感じ、安心できるようになるためのメソッドです。
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