腎臓のあたりに手を当てると落ち着く? 人間関係を円滑にする「ポリヴェーガル会話術」とは!?【今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論】


人間関係を円滑にする「ポリヴェーガル会話術」
人と話すとき、緊張して身構えてしまう人もいるでしょう。もちろん私もよく緊張します。会話をするうえでもっとも重要なポイントは、腹側迷走神経の働きを促して緊張をほぐし、相手とのつながりを意識することです。
話すときに緊張したら、腎臓のあたりに手を当てて
人と話すときに自分が不安やイライラを覚えていると感じたら、腎臓のあたりに手を当ててみてください。腎臓は背中側の腰より少し上、背骨を挟んで左右にあります。背側迷走神経は腎臓にも通っていて、手のひらで触れてあげることで「休息・消化」モードが入ってきます。
相手がカッカしたり落ち着かなかったりするときも、それにつき合う必要はありません。いちいち反応したり個人的に受け取ったりすると、相手の緊張や興奮に不必要に同調することになり、まったくの逆効果です。
表情豊かに、高めの声で抑揚をつけて「安心」信号を送る
話すときは表情筋をよく動かすと、社会交流のシステムが働きます。そうすると「安全ですよ」「安心していいですよ」という信号が相手にも伝わり、協働調整が起こって、スムーズなコミュニケーションにつながります。それでも顔がこわばってしまうという人は、目のまわりを囲む眼輪筋を動かすことを意識してみるとよいでしょう。眼輪筋を使うと表情が豊かになり、相手に安心感を与えることができます。
声はいつもよりワントーン高く、とくに「ええ」「はい」などとあいづちを打つときは、高音で発声するのがポイント。さらに抑揚をつけて話すと、協働調整が起こりやすくなります。
どんな言葉を使うかも大切です。ポジティブな言葉や相手に寄り添った言葉は、相手の心をほぐし協働調整を促します。
そもそも、誰かと会話すること自体が苦手という人もいるでしょう。その場合、無理をしてコミュニティに参加する必要はありません。落ち着いた人の近くにいるだけでも十分。たとえば、カフェで静かに読書している人を見つけたら、隣のテーブルに座る。それだけでもよいのです。調整されている人のそばにいると、落ち着きが伝わってきて、自分も落ち着いてくるのを感じられることでしょう。
会話の途中、腹の立つことや納得がいかないことがあったとしたら、あなたはどうしますか?相手との関係が悪くならないよう、気持ちを抑えこんでしまう人も多いかもしれませんね。でも、がまんする必要はありません。
会話にかぎらず、怒りや抗議の感情が湧いたら、それらをなかったことにせず、んらかの方法で主張しましょう。口に出して主張する場合は、攻撃的にならず、穏やかに相手に伝えること。直接伝えるのが難しければ、いったん自分の感じたことを書き出すだけでもかまいません。
これらのテクニックを使って関係が円滑になると、臨機応変に対応できるというメリットもあります。
【出典】『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』著:浅井 咲子
【書誌情報】
『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』
著:浅井 咲子
3つの自律神経を味方につけて〈不安ぐせ〉を〈安心ぐせ〉に変える!
「次から次へと心配ごとがでてくる」
「ニュースやSNSで不安になりがち」
「イライラする」「ストレスに弱い」
「気持ちの浮き沈みがはげしい」「やる気が起きない」
などの〈不安ぐせ〉を抱える人へ。
ポリヴェーガル理論は、ステファン・ポージェス博士によって提唱された自律神経系の神経理論です。
自律神経を、1つの交感神経と2つの副交感神経(背側迷走神経と腹側迷走神経)の3つで捉えます。
本書では「セオリー」「テクニック」「ワーク」に分けてわかりやすく紹介します。
本当は必要ではないのに過剰に防衛したり、考えても仕方がないことにイラっとしたり、不安になったり。
そうしたもったいない時間を減らして、「今ここ」にある幸せを感じ、安心できるようになるためのメソッドです。
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