「せっかく飛んだのに…」飛びすぎて食べられちゃうトビウオの面白い生態とは!?【眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話】


海のスーパーマン!? 命懸けで逃走する
水面をピョンピョンと跳ねながら、まるでスーパーヒーローが空を飛んでいるかのように滑空する魚「トビウオ」。大きく発達した胸ビレと腹ビレを、翼のように使って海面上を飛びます。さらに、トビウオは消化管がほかの魚より短く、胃もありません。これは体を軽くして飛びやすくするための進化だといわれています。
では、そもそもトビウオはなぜ空を飛ぶのでしょうか? それは、飛ぶことで「天敵」から逃げるためです。たとえば、サメやマグロなどの大きな魚に追われたとき、トビウオは時速70kmものスピードで水面を飛び出し、空中を飛びながら素早く逃げます。その距離はなんと約400m!新幹線16車両分の幅を飛び越えるともいわれているのです。また、ある観測では45秒間も空中を飛んでいたという記録もあるほどです。
すさまじい飛行能力を持つトビウオですが、あまりに高く飛びすぎて鳥にパクッと食べられてしまうことも。一見華麗に見える飛行ですが、トビウオたちにとっては絶体絶命、命懸けの「逃走」なのです。
加えて、空を飛ぶその神秘的な姿から「神の使い」などの縁起のよい存在として扱われるトビウオ。京都府には、トビウオが描かれた絵馬のある神社も存在します。
大きなヒレで空を飛ぶ不思議な魚

トビウオが敵から逃れるために本気の泳ぎを見せたとき、時速70km を超え、新幹線16車両分の幅を飛び越えるといわれている。
命懸けの空中飛行

大きな魚が近づくと、トビウオは敵から身を守るために飛行する。
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これで一安心と思いきや、飛びすぎるとカモメなどの海鳥に食べられてしまうことも。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』監修:さかなのおにいさん かわちゃん
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』
監修:さかなのおにいさん かわちゃん
食べること、飼うこと、水族館などでの鑑賞など、日本人にとって身近な生物の“魚類”。
魚類は生き物にしては珍しく、大きさや形、色、生息地域もさまざまなので、個体ごとの身体的特徴も大きく変化します。
また、食用としての魚と観賞用としての魚、漁業などのビジネスとしての魚では注目するポイントが異なるため、色んな角度から見ることができる面白い生物です。
「最古の魚は5億年前! 魚類の誕生と進化」「魚は何を食べる?」
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「シーラカンスが絶滅しなかったのは、味が激マズだったから!?」
「クジラ界にも「ヒット曲」があり、世界中の海で流行る」などなど
そんな魚のあらゆる疑問や意外な生態、誰かに教えたくなる雑学が詰まった子どもから大人まで幅広く楽しめる一冊です。
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