週1回を「週4回」に分けるだけで成長速度が上がる!? 重量が伸びない人必見の科学的トレーニングの最適解【鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ】

筋力増強を目指すなら、回数よりも「高強度」
筋力増強には1RM70%以上の強度が必須
トレーニングを行う際に、どのくらいの負荷がもっとも筋肉を増強させるのか、という疑問に答えてくれたのが、2020年のイギリス、ソレント大学による研究です。それによると、もっとも筋力が増強する負荷量は1RM90%であり、筋力増強効果が得られる最低値は1RM70%という結果でした。3回が限界という強度が筋力増強効果を最大にし、12回が限界という強度が筋力増強の最低値で、それ以上行える強度では、筋トレしても神経系の活性化は見られませんでした。つまり、筋力増強の面から見ると、高回数低強度のトレーニングは意味がなく、筋力増強を最大化させたいのであれば、高強度でトレーニングを行う必要があるというわけです。
ただし、実際には1RM90%だと負荷が強過ぎてケガのリスクも高まるため、5回が限界の1RM85%がもっとも安全に神経の活性化を高め、筋力増強率を高めるトレー二ングだといえます。現状10回が限界の強度でトレーニングをしている人は、その数字に1.2をかけることで1RM85%になるので、一度1.2をかけた強度でトレーニングをしてみてください。
なお、徐々にトレーニングの負荷を上げていくために中強度の負荷から始める場合は、1RM75%、つまり10回で限界がくる重さに設定することが、もっとも筋肥大を起しやすい強度になります。
日常的なトレーニングは中重量中回数で行い、1週間に1回は筋力アップに効果のある高重量低回数の負荷でセット数を少なめにして行うようにすると、総負荷量を変えることなく、より筋力を高めることができます。低重量高回数と高重量低回数はどちらも筋肥大に効果があり、両方を組み合わせることがもっとも効率的になります。
筋力増強率を最大化する頻度とは?
トレーニングの頻度に関しては、2024年に『ヨーロッパスポーツ科学ジャーナル』誌が行った調査が参考になります。この調査では、筋トレを半年間継続して行っている人を対象に、週に一度、4種目を4〜5セットずつ行うトレーニングを「1日でこなす低頻度グループ」と「週に4回に分割して行う高頻度のグループ」に分け、下肢の筋力や筋量、ジャンプ力に与える影響を8週間にわたって調査しました。その結果、筋肥大とジャンプ力に関しては、どちらも同じぐらいの増加率が確認され、有意差は認められませんでした。
しかし、筋力は週1回のグループでスクワットの負荷が8㎏増加したのに対し、週4回のグループでは15の増加が見られ、高頻度のグループで有意な増加が確認されました。つまり、週1回のトレーニングでも筋力増強や筋肥大、パフォーマンスの向上は見られますが、これを4回に分割することでより大きな筋力増強効果を得られるというわけです。研究者は、週4回のほうが疲労感を最小限に抑えて良質なトレーニングを可能にすること、高頻度のトレーニングで神経適応がスムーズに行われ、筋力が向上したことを示唆しています。つまり、高強度+高頻度のトレーニングが筋力増強率を最大化するということです。
高強度VS高頻度、どちらを優先すべき?
高強度と高頻度、どちらがより筋力増強の変数として有効かというと、さまざまなデータから、強度が筋力増強に与える効果量は0.5〜0.8と中〜高度の効果量、頻度は0.2〜0.5の小〜中等度の効果量となっています。つまり、筋力増強を最大化させるためには、頻度よりも強度を上げることを最優先すべきというわけです。さらに、筋力増強を狙うには、総負荷量を上げることも必要です。総負荷量=筋肥大というイメージがありますが、実は筋力増強にも重要な役割を果たし、総負荷量を増やしたほうが筋力も向上しやすいという、メタ分析も出ています(2017年、西スコットランド大学)。

また、1RM90%の負荷で週に「10セット以上行うハイセット群」と「週に5セット以下のローセット群」では、ハイセット群のほうが20〜25%ほど早く筋力が増強するといわれ、神経系を活性化させて筋力を強くしたい場合は、重量だけでなくセット数を増やし、トレーニング筋ボリュームを高めることが重要です。
筋力を上げるためのトレーニングメニュー
実際のトレーニングでは、強くしたい筋肉を中心に鍛える種目をメインに行います。これは、トレーニングの効果は、トレーニングで刺激した部位に特異的に現れる「特異性の原理」に則った方法です。
さらに、筋トレの経験値によってもトレーニング変数を変える必要があります。初心者や30歳以上の人がいきなり高負荷のトレーニングを行っては、ケガや関節を痛めるリスクが高まります。筋トレ歴6ヶ月未満の人は、まず1RM75%の負荷からスタートし、トレーニングの筋ボリュームを上げることを考えるようにしましょう。
【出典】『鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ』著:理学療法士・パーソナルトレーナー 論文男
【書誌情報】
『鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ』
著:理学療法士・パーソナルトレーナー 論文男
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理学療法士・パーソナルトレーナーである著者が、10万本以上の論文から導き出した「本当に効く筋トレ理論」をわかりやすく解説します。
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