オスの三毛猫は激レア!? 5000分の1の軌跡を引き起こす「クラインフェルター症候群」とは【猫柄図鑑】

三毛猫の秘密②

三毛猫になれるのはメスだけ!

 「O/o 遺伝子座の特徴」で解説したように、この遺伝子座はX 染色体上にあります。したがって、オスはX 染色体を1本しか持っていないので、遺伝型はO 型かo 型の2タイプしかありません。前者のオスは、エピスタシス効果により、茶キジの毛は生えますが、A/a 遺伝子座に由来する黒キジ(A 遺伝子)や黒(a 遺伝子)の毛は生えません。

 一方、o 型のオスは、茶キジの毛は生えず、そのかわりに黒キジや黒の毛が生えます。このように、オスではメスのように茶キジと黒、あるいは黒キジの毛が1 匹の猫の毛柄に共存することはないのです。

 下の写真はメスの三毛猫です。三毛猫の体は、O 遺伝子が働く部分とo遺伝子が働く部分が、パッチワークのように組み合わさってできています。実は、人間の女性の体も同じです。外見からはわかりませんが、女性の体は母親由来のX 染色体が働いている部分と、父親由来のX 染色体が働いている部分とに分けられます(例えば、右目は母親由来、左目は父親由来みたいに)。

オスの三毛猫はなぜ生まれるの?

 先ほど説明したとおり、三毛猫は基本的にメスだけです。しかし、ごくまれにオスの三毛猫が生まれることがあります。具体的には、「クラインフェルター症候群」と呼ばれる染色体異常によって、オスのX 染色体が通常より1本多くなったときに(つまり、XXY 型)、三毛猫のオスが生まれる可能性があります。

 XXY 型のオスは、X 染色体が2本あるので、メスと同じように母親のお腹の中で「X 染色体不活性化」を起こし、メスの場合と同じメカニズムで三毛猫が生まれてくるのです。

クラインフェルター症候群って?

オスの性染色体はXY ですが、まれにX 染色体を1本(あるいはそれ以上)多く持つオスがいます。外見上はオスですが、オスとメスの両方の特徴を持っています。

出現確率は5000分の1 ほど!

オスの三毛猫は激レアな存在。繁殖能力を持たないため、この突然変異は一代かぎりで終わります。

【出典】『猫柄図鑑』監修:山根明弘

【書誌情報】
『猫柄図鑑』
監修:山根明弘


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三毛猫はなぜ雌が多いのか、オッドアイはなぜ起こるのかなどの遺伝的なことから、
柄ごとの特性の違いを解明しながら解説しています。
猫を飼っている人もそうでない人も楽しめる楽しい「猫柄図鑑」です。

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