「キャラが薄い人」はここがズレている。編集者が見ているのは「性格」ではなく“行動” ――賞を勝ち獲る小説の書き方vol.8

出典:新刊『プロの編集者&小説家が教えるクリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』より

はじめに(リード文)

小説家、ラノベ作家、シナリオライターなどになるべく、日々創作活動に打ち込むクリエイターたち。その夢の登竜門として、さまざまな出版社や小説投稿サイトで開催されるコンテストでの受賞を目指している方も多いのではないでしょうか。しかし、最終審査まで残り、その上受賞する作品は一握り。そうなると「面白い作品なのに、選考が通らない!」という悩みもおのずと出てくると思います。その悩みの突破口となるのは “編集目線”。

日本文芸社人気シリーズの最新刊『プロの編集者&小説家が教えるクリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』では、その“編集目線”を小説の書き方に取り入れた一冊。今まで何千何万もの作品に目を通してきた小説投稿サイト『Nola』の編集者たちとプロの小説家である秀島迅氏がタッグを組み、読み手と書き手の二つの視点から、普段は明かさない小説を書くために絶対必要なスキルやポイントを徹底解説。

本記事は、書籍の本文の一部をWeb記事用にアレンジして紹介いたします。ぜひ参考にしてみてください!

キャラクターの性格は行動描写で示す

キャラクターを物語で育てるには、とにかく行動させるしかありません。

それも読者が感情移入できる象徴的な出来事を起こし、書き手が意図する性格を明確に伝える必要があります。

たとえば、悪役に捕らわれた7人のうち、命を落とす危険な賭けに誰かが出なければならないとします。リーダー役の大男は恐怖のあまり動けません。
一方、存在感の薄い寡黙な少年が仲間を庇うため賭けに立候補します。当然、読者は自己犠牲を厭わない少年への感情移入が高まります。
対してリーダー役には愛想をつかすでしょう。

ここでのポイントは2つ。
誰も期待しなかった少年が勇気ある決断を示したことと、両者のイメージが一瞬で覆ったことです。
こうした極端かつ象徴的な出来事がキャラクターのポジションと読者の印象を決め、ストーリーに欠かせない存在として成長していきます。

性格は言葉ではなく「選択と反応」で示す

「優しい」「冷たい」「臆病」といった形容詞が並んでいても、行動に理由がなければ人物は設定だけの記号に見えてしまいます。

性格とは、選択と反応といった行動で示されるものです。

性格を言葉で説明して満足せず、行動の理由として示すようにしてください。
「優しい」と書くより、「誰かが困っていると無視できない行動」をひとつ描くほうが、人物像は明確に伝わります。

さらに、その行動が過去の体験や価値観から導かれているものであれば、読者は自然に納得します。
編集者が見ているのは、この行動がこの人物だからこそ起きたと言えるかどうかです。

人物の積み重ねてきた行動とその基準=性格が明確であれば、選択の葛藤や変化も自然に生まれ、読者の感情移入が強まります。

過去の“いきさつ”が行動に説得力を与える

小説の奥行を深め、主人公を含む登場人物の行動原理に説得力を持たせるには、過去を描くだけでは事足りません。

物事が現在に至るまでの複雑な事情や状況を表す“いきさつ”を入念に設計しましょう。

さらに重要なのは“いきさつ”のキーワードの設定です。
血塗られた幼少時代があるなら「復讐」、挫折続きの青春があるなら「成長」、はぐれた親を捜すなら「再会」というように、進行する物語を貫く軸を定めます。

進行する物語を貫くキーワードがぶれることなく定まっていれば、キャラクターの性格や強さ・弱さ、長所短所がおのずと浮かび上がり、言動がリアルな人間像に近づきます。

過去の体験が現在の価値観や判断を支え、その行動が未来の目的へ向かっているか。
過去・現在・未来が1本の線で結ばれている人物は、自然に動きます。
この“因果のつながり”が見えているかどうかも、編集者が評価の軸として見ているポイントです。

過去が動機を与え、現在の行動を起こし、未来の目的へつながっていく。この因果が成立したとき、物語に必然性が宿り、読者はより強く引き込まれるのです。

今回紹介した本書の参考ページ

今回の記事は、以下の本文ページから抜粋してご紹介しました。
本書は、見開きでとても分かりやすい、構成になっています。

日本文芸社のクリエイターシリーズ最新刊『プロの編集者&小説家が教えるクリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』

読み手と書き手のプロたちがタッグを組んで、賞を勝ち獲るための小説の書き方本。

ライトノベル編集のプロが普段は絶対に明かさない、コンテストで常にチェックしている絶対必要なポイントを徹底解説。編集者のポイントを再現する文章の書き手は、クリエイターシリーズすべての著者を務めるプロの小説家、秀島迅氏。

本書は、物語・シナリオを書くための構想の仕方を教えるだけでなく、編集者が「あっ」と驚く文章構成や、プロなら絶対に押さえておきたい書き方の基本メソッドに加え、つい書き手がやってしまうNG例も実際に例文を読みながら学べます。

小説の面白さには自信があるけど、なぜだか賞は獲れない……という人に向けて、一段階上の技術を習得できる超実用的な内容。ぜひ、Amazonでチェックしてみてください!

https://www.amazon.co.jp/dp/4537223758

【著者紹介】
秀島 迅(ひでしま じん)
青山学院大学経済学部卒。2015年、応募総数日本一の電撃小説大賞 (KADOKAWA)から選出され、さよなら、君のいない海』で単行本デビュー。小説家 として文芸誌に執筆活動をしながら、芸能人や著名人のインタビュー、著述書、自伝 などの執筆も行っている。近著に長編青春小説『その一秒先を信じて シロの篇/アカ の篇』二作同時発売(講談社)、『プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑 上級編』(日本文芸社) などがある。また、コピーライターや映像作家としての顔を持ち、企業CM制作のシナ リオライティングなど、現在も月10本以上手掛けている。

Nola編集部(のらへんしゅうぶ)
創作プラットフォーム「Nola」を運営する編集チーム。日々多数の投稿原稿を審査・講評し、企画立案やコンテスト運営を通じて新人作家の育成に携わる。構成・文体・読者設計の観点から作品を分析し、読者に届く物語づくりを実践的に支援している。本書では、現場で培った編集視点をもとに、小説執筆における具体的な改善ポイントを監修。

日本文芸社のクリエイターシリーズ

小説家、ラノベ作家、漫画家、シナリオライター、脚本家、SNS投稿…etc
読むだけで、頭ひとつ抜ける!作品のクオリティが格段にあがる!

普段プロの小説家が秘密にしている実践的な経験をもとにした創作セオリーがつまった、すべてのクリエイターに役立つ書籍シリーズ!!
「語彙」テクニックだけでなく、中世ヨーロッパの文化、シナリオに必要な「人物・性格」「能力」「場面」「職業」設定、などなど即戦力となるノウハウをあますところなく解説!

https://sp.nihonbungeisha.co.jp/series/creators

【書誌情報】
『プロの編集者&小説家が教える クリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』
秀島 迅 (著), Nola編集部 (監修)


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☆☆大人気クリエイターシリーズ最新刊☆☆

小説編集者×小説家
読み手と書き手のプロたちがタッグを組んで
賞を勝ち獲るための小説の書き方を教えます!

今まで何千何万もの作品に目を通してきた小説投稿サイト『Nola』の編集者たち。
数多くの出版社とのコンテストを開催し、多くの作品を世に生み出してきました。

本書では、そんなライトノベル編集のプロが普段は絶対に明かさない、
コンテストで常にチェックしている絶対必要なポイントを徹底解説します。
どうしても文章を書く際は、自分の書きたいことが飽和して読みづらくなりがちですが、
読み手側の視点を取り入れることで、作品の完成度を高めることができます。

そんな編集者のポイントを再現する文章の書き手は、
クリエイターシリーズすべての著者を務めるプロの小説家、秀島迅氏。
編集者が「あっ」と驚く文章構成や、プロなら絶対に押さえておきたい書き方の基本メソッドに加え、
つい書き手がやってしまうNG例も実際に例文を読みながら学べます。

そのほか、本書は物語・シナリオを書くための構想の仕方を教えるだけでなく、
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